2014年までに自動車取得税廃止なるか? 民主税調が調整へ

以前に「米国の49倍! JAFが高額過ぎる自動車税制是正に向けて動いた!!」や「トヨタのお膝元、愛知が6県従えて自動車2税撤廃要請!」、「テリー伊藤が吠えた「自動車諸税を見直すべきだ!」などでもお伝えしたとおり、現在自動車には9種類もの税が課せられ、ユーザーは多額の自動車関係諸税を負担しており、2012年度にユーザーが負担する税金の総額は国の総税収79兆円の約10%に当たる7.7兆円にも及びます。 

2012年度 自動車関係諸税の割合(出展 日本自動車工業会)

自動車関係諸税は第1次道路整備5ヶ年計画がスタートした1954年度に道路特定財源制度が創設されて以来、これまで増税、新税創設が繰り返されてきました。

このような長年に渡り施工されて来た他国と比較しても理不尽な自動車税制の改正に向けて2012年10月29日に「自動車取得税・自動車重量税の確実な廃止」と「ガソリン税等の上乗せ税率の撤廃」をスローガンに、JAFの小栗会長を筆頭に「日本自動車工業会」会長の豊田章男氏、「日本自動車販売協会連合会」会長の守川正博氏、「全日本自動車総連」会長の相原康伸氏、さらに来賓として愛知県大村知事やテリー伊藤氏を招いて「自動車関係諸税の簡素化・負担軽減に関する共同記者会見」が開催されました。 

日本自動車工業会 豊田会長 (出展 Bloomberg)

会見ではJAF(日本自動車連盟)が昨年実施した自動車税制に関するアンケート調査結果でも8,266名の回答のうち97%の回答者が自動車にかかる税金を負担と感じており、何ら手が打たれないまま消費税が引き上げられた際には自動車ユーザーには耐え難い負担がかかるとの結論で一致。

自動車ユーザーの税負担 国際比較 (JAF出展)

会見終了後、JAF小栗会長をはじめとする各団体の役員は、枝野経済産業大臣など関係省庁や政党幹部の元を訪れ、自動車取得税・自動車重量税の確実な廃止とガソリン税等の上乗せ税率の撤廃を求めたそうです。

これを受けて11月10日、民主党税制調査会が自動車の購入時に消費税と別に課せられる自動車取得税(都道府県税)を、2014年度までに廃止する方向で調整に入った模様。

消費税との「2重課税」を解消し、自動車の国内販売を即し、車体課税を軽減するのが狙い。取得税の廃止で地方財政に悪影響が出ないよう、代替財源の確保も併せて検討するとのこと。年末にまとめる2013年度税制改正大綱に盛り込む方針と言います。

しかし、「代替財源の確保も併せて検討」の一言が何やら引っ掛かると共に、新車購入時の負担は確かに少し軽減されるかもしれませんが、車検など維持費でも負担となる上に既に徴収理由を失っている「重量税」撤廃への対応については今回も触れられていません。

加えて同じく維持費の中で大きい「ガソリン税:53.8円/L」を構成する「揮発油税:48.6円」と「地方道路税:5.2円」に更に消費税をかけている「2重課税」の廃止、そしてガソリン税の中に2018年3月末まで40年以上に渡って組み込まれている「暫定税:25.1円」の即時撤廃こそが本来は重要なのです。

これら全ての見直しが実現すれば晴れて諸外国並みの自動車税に落ち着くことになり、自動車ユーザーは今後も引き続き注視して行く必要が有ると思われます。

■自動車税制改革フォーラム
     http://www.motorlife.jp/index.html

■JAF 自動車税制改正要望活動
   http://www.jaf.or.jp/profile/report/youbou/index.htm

■日本自動車工業会公式HP  自動車関係諸税について
   http://www.jama.or.jp/tax/outline/index.html

 (Avanti Yasunori) 

この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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