上下方向を新たに検知できる3次元ミリ波レーダーでクルマの安全性が進化する

レーダーで車両前方の物体を検知して、ドライバーに警告を促したりブレーキをかけたりするプリクラッシュセーフティは、高級車ではすでにポピュラーな装備で、今後は高級車以外の乗用車や商用車に装着(設定)が待たれる安全先進技術といえます。

コンパクトサイズのミリ波レーダー。3次元スキャンでプリクラッシュセーフティの精度が上がることが期待できます

さらに、2014年11月以降に生産される大型トラックには車両の総重量に応じて順次、自動的にブレーキをかけて被害を軽減する装置の導入義務化が決定。トラックなどの大型車の追突事故などは重大事故に発展する恐れがあることから、当然といえる流れ。また、欧州連合でも2013年秋以降に新車販売される大型車への導入が義務づけられているそうです。

 

左右だけでなく上下方向のセンシングが可能に

富士通テンが「第19回ITS世界会議ウィーン2012」に参考出品する「車載用 小型77GHz 3次元電子スキャンミリ波レーダー」は、同社が世界で初めて60GHz帯ミリ波レーダーを開発し、多くの自動車メーカーに納入していた実績を証明する最新モデルです。

従来の前方と左右に加えて、上下方向もセンシングすることで、3次元で物体を検知できることが可能になったのがキモで、情報にある道路標識や道路の落下物なども確実に検知できます。プリクラッシュセーフティの進化に貢献する3次元スキャンだけでなく、手の平に乗る小型設計や車両への取付の簡素化などを実現しています。
(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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