新型アウディS3の4気筒ターボエンジン、最大ブースト1.2barで300馬力

VWグループの新しいプラットフォームMQBを採用、ヨーロッパでは2012年5月にデビューしているアウディA3、そのハイパフォーマンスバージョンである「S3」が発表されました。

注目はエンジンです。2.0 TFSI(2.0リッター直噴ガソリンターボ)というプロフィールは従来と同じですが、シリンダーヘッドを新開発、革新的な温度管理システムを採用するなどしたことにより、その最高出力は300馬力に達しているといいます。
さらに、性能向上につながった技術要素として、より高圧化された直噴インジェクションシステム、可変バルブタイミング機構、エンジンヘッド一体型エキゾーストマニホールド、 ターボチャージャーの大型化、バランサーシャフトの採用なども挙げられています。
そのバランサーシャフトやピストンスカートには新しいコーティングが施され、フリクションを減らしているのも見逃せないアピールポイントとのこと。
最大ブースト圧は1.2bar、221kw、380N.mのスペックを実現しています。なお、エンジンのレッドゾーンは6800rpmから。エンジン重量は148kgと従来より5kg以上軽くなっているとのこと。

 

組み合わせられる変速機は、軽量なマグネシウムケースの6速MTとデュアルクラッチのSトロニック(6速)の2種類。マニュアルトランスミッションは全体に低いギア比となって、より力強さを感じられるということです。もちろん、駆動方式はクワトロ(四輪駆動)となっています。

ただし、加速性能、燃費性能においてはSトロニックが有利。0-100km/h加速はSトロニックが5.1秒(MTは5.4秒)、燃費はSトロニックが6.9L/100km(同 7.0L/100km)と発表されています。
足回りはフロントがマクファーソンストラット式、リヤが4リンク式。A3に対して25mmダウンのスポーツサスペンションがセットされています。パワーステアリングは燃費に貢献する電動式、オプションとしてレーンキーピングアシストとパーキングアシストが用意されるということです。
なお、本国での発売時期は2013年初頭、価格は38,900ユーロ(ユーロ=101円として、約392万円) とアナウンスされています。
●主要諸元
全長:4254mm
全幅:1777mm
全高:1435mm
車両重量:1395kg
エンジン型式:直列4気筒ガソリン直噴ターボ
総排気量:1984cc
ボア×ストローク:82.5×92.8mm
圧縮比:9.3:1
最高出力:221kW(300hp)/5500rpm
最大トルク:380N.m/1800-5500rpm
0-100km/h加速:5.1秒(Sトロニック)/5.4秒(6MT)
燃費:6.9L/100km(Sトロニック)/7.0L/100km(6MT)
タイヤサイズ:225/40-18

 

(山本晋也) 

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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