マツダがウラジオストクに生産合弁会社を設立 勝算のカギはシベリア鉄道にあり?

マツダは、OJSC ソラーズとロシア極東連邦管区プリモリスキー州ウラジオストク市で、生産合弁会社 MAZDA  SOLLERS Manufacturing Rus(マツダソラーズマヌファクトゥリングルース)の設立記念式典を行った、と、9月6日に発表しました。

生産する車種はMAZDA6(日本名マツダ アテンザ)とCX-5。今年の10月から操業を開始し、当初は年産5万台、将来的には10万台の生産をするということですから、かなり大規模な生産拠点となることでしょう。

マツダソラーズ、ロシア合弁会社の設立記念式典を実施(PDFファイル)
http://www.mazda.co.jp/corporate/publicity/release/2012/201209/120906a.pdf 

ウラジオストクといえば日本から一番近いロシアの都市ですが、ユーラシア大陸の東端に位置していることを考えると生産したクルマをモスクワなどがあるロシアの西方まで流通させるのはかなり大変ではないか、と邪推してしまいます。

しかし近年、シベリア鉄道の貨物輸送が積極的に近代を果たしているので 流通の信頼性がかなり向上しているということも考えなくてはいけません。実際、トヨタでは試験的とはいえロシアの西方にあるサンプトペテルブルグ工場までシベリア鉄道を使ってヤリス(日本名ヴィッツ)の部品輸送を行っていました。船で約1ヶ月かかるルートが2週間チョットで部品が届くというデータを得たとのこと(出展:東洋経済2008年4月19日号)。つまり、いまやシベリア鉄道は極東とヨーロッパを結ぶ流通動脈になりつつあるのです。

完成車輸送にシベリア鉄道を使えば、モスクワなどのロシアの大都市が集中する西方面はもとより、途中の小都市や中都市にも配車が可能。日本からの部品供給までを視野に入れれば、モスクワまでの完成車流通が一方通行で済む。つまりこの地に生産拠点を置くカギは鉄道輸送だと考えられるのです。

またウラジオストクに生産拠点があれば、中国の東北部にもアクセスがしやすい。ロシア国内とともに自動車需要が高まる中国も視野に入るという好立地。なぜ今まで日本メーカーの生産拠点が無かったのか不思議なくらいですよね。

(北森涼介)

 

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
続きを見る
閉じる