経済危機の欧州で販売を伸ばすトヨタの意外なトップ7

各国の経済的な問題がニュースを賑わしている欧州事情。そうした厳しい状況下で、トヨタ ヨーロッパの2012年上半期と第二四半期の販売データが発表されました。

それによると、たしかに西ヨーロッパでは厳しいものの、ロシアをはじめとする東ヨーロッパで堅調で、全体としては第二四半期で13%の販売増を達成したということです。

同時に2012年上半期の車種別販売台数も発表されていますが、そのトップ7は意外な顔ぶれ。日本では定番となっているプリウスやアクア(海外名:プリウスc)といった名前は出て来ません。

では、欧州で売れているトヨタ車とは?

1位:ヤリス(日本名 ヴィッツ) 96,674台

圧倒的に売れているのがヤリスです。ハイブリッドもラインナップに加わっていますが、上半期でのハイブリッド販売台数はわずか3,215台ということで、まだまだハイブリッドのイメージは強くないようです。

2位:オーリス 44,709台

一方、2位となったオーリスでは、ハイブリッドが13,940台とけっこうな比率を占めています。ちなみに、これは欧州におけるプリウス・シリーズの販売台数(13,177台)を上回っています。もっともプリウスの販売も伸びているそうで、ハイブリッド全体のイメージがよくなっているということ。

3位:アイゴ 38,843台

日本では未発売、PSAグループにも供給している小型モデルのアイゴが3番手。 

4位:アベンシス 36,467台

イギリスからの輸入車として日本でも発売されているアベンシ は、さすがに欧州では人気モデルとなっています。

5位:RAV4 35,541台

北米市場では高い人気を誇るSUVのRAV4は欧州でも5番手に位置する定番モデル。 

6位:カローラ 31,915台

日本仕様とは異なるカローラも定番モデル。ちなみに北米で人気のカムリは2万台弱の実績にとどまっているようです。

7位:ランドクルーザー 28,011台

意外な7位がランドクルーザー。日本でいうプラドと200系を足した数字とはいえ、この台数は驚きではないでしょうか。

なお、レクサス全体の販売台数は23,454台、トヨタ車と合計した欧州での2012年上半期の販売台数は439,500台。上半期を総括すると、西ヨーロッパで8%減、東ヨーロッパで5%増、全体としては2%の微増となっているということ。

また、フルモデルチェンジしたレクサスGSが前年比で2倍以上の販売台数を稼ぐなど、レクサス・ブランドも順調ということです。

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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