スバル・エクシーガtSとエクシーガ2.5i EyeSightを乗り比べてみました【エクシーガ マイナーモデルチェンジ】

マイナーチェンジしたスバル・エクシーガですが、その中で気になるのがこの2車種。

1台は限定300台のSTIチューンドモデル、エクシーガtSです。

そしてもう1台がエクシーガ2.5i EyeSight(アイサイト)。

この2台を乗り比べする機会を得たので乗り比べてみました。

まず、エンジンのパフォーマンスを比較してみましょう。エクシーガ2.5iアイサイトに搭載されたのはD型レガシィに搭載されたFB25エンジン。

最高出力127kW(173ps)/5600rpm、最大トルク235N・m(24.0kgf・m)/4100rpmとスペック的にはパワフルというわけではありませんが、普通の高速走行ならば不満はないレベルです。

それ以上にFB25と組み合わされる新リニアトロニック(CVT)の出来がよく、快適なドライビングができます。またアイドリングストップなども備えているため、JC08モード燃費は13.2km/Lと家計にやさしいクルマだといえますね。

一方エクシーガtSはEJ20ターボを搭載。

組み合わされるトランスミッションはE-5ATで、アイドリングストップ機能も備えていないため、燃費面では不利となります(ベース車が10・15モードで12.2km/L)。
でもスペック的に最高出力165kW(225ps)/5600rpm、最大トルク326N・m(33.2kgf・m)/4400rpmを発揮するため、加速力は必要充分以上あり、7名フル乗車時は威力を発揮しそう。そしてこのパワーの余裕はアクティブセーフティにつながるという点でもポイントは高いです。
それ以上にエキゾーストノートが心地よかったです。

フットワークに関してですが、エクシーガ2.5iアイサイトでも充分スポーティだと思います。

ただ、乗り心地を優先させているためか、段差を乗り越えた後のピッチングが収まるまで少し時間がかかる感じでした。

その点エクシーガtSはピッチングの収まりも良かった印象。でもそれ以上に印象に残ったのはステアリングのレスポンスの速さでした。

これは高速道路やワインディングだけじゃなく、市街地走行でも言えたのですが、とにかくステアリング操作に対する反応が速かったです。かといってクイックステアリングとか、反応が速すぎるいうわけではなく、切った分だけすぐに反応して曲がる感じ。その理由はいろいろあるのでしょうが、一番大きいのはフロントに新たに採用されたフレキシブルドロースティフナーというパーツの効果なのだそうです。

このフレキシブルドロースティフナーはフロントサブフレームと、メインフレームをつないでいるパーツなのですが、これによってステアリングの切り始めに発生する各パーツの動きやロスをなくしているのだとか。どのスピード領域でも適度に反応してくれるので、運転していて楽しい感じでした。限界が高くなるということは運転する時の気持ちの余裕にもつながります。もちろん限界まで攻めちゃえば余裕も何もないので、あくまでも日常領域でのマージンの話ですよ。

そしてブレンボキャリパーの安心感は何にも代えがたい安全パーツですね。

当然と言えば当然ですが、フットワークに関してはtSが圧勝です。

でもエクシーガ2.5iアイサイトの最大の売りはやっぱりアイサイトver2。

 ぶつからないミニバンの名の通り、7人乗車でも安全にしっかり停止します。

パフォーマンスならエクシーガtSに決まり! ってところなのですが、アイサイトの凄さを実感してしまうとやっぱりアイサイトがいいなぁってことになってしまいますね。

で、エクシーガ2.5iアイサイトが2,520,000〜2,625,000円でエクシーガtSが3,748,500円で、価格的にはアイサイトのお買い得感が際立ちますが、tSの所有満足度も捨てがたい感じ。

tSにアイサイトがついていれば文句ないのですが、出してくれませんか?
(ぬまっち)

 

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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