すでに話題を集めているように、「トヨタとBMWがスポーツカーを共同開発」すると発表されました。
BMW本社を訪問したトヨタの豊田章男社長が、BMWのノベルト・ライトホーファー取締役会会長とともに、両社の長期的な戦略的協業関係を強固なものにしていく意向を確認する共同声明に調印した模様などが公開されています。
非常にフレンドリーな豊田章男社長とBMWのノベルト・ライトホーファー取締役会会長の2ショットですが、こうした雰囲気の元に、BMWとトヨタの共同開発のスポーツカーが生まれるわけですから、豊田社長の言にもあるように『どんなクルマが生まれるのか。想像しただけで、ワクワクした気持ちになります』と、期待が高まるところではないでしょうか。
ところで、すでに2.0リッター級スポーツカーとしては富士重工業と共同開発したトヨタ86(スバルBRZ)をラインナップしているトヨタですから、BMWとの共同開発が同じセグメントにならないであろうことは容易に想像できます。
では、どのようなセグメントのスポーツカーが登場するのでしょうか。
ちょうど、ドイツの自動車メディアではBMWの伝説的なスーパーカーであるM1復活のウワサが話題になっているようですが、たしかにミッドシップのスーパースポーツを新規開発するとして、その予算を捻り出すには2大メーカーによる共同開発というのは理に適っているように思えます。
また、BMWのスポーツカーといえばMシリーズ。トヨタでいえばレクサスFラインが同じカテゴリーになります。単純に考えるとM3とIS-Fが、M5とGS-Fが兄弟モデルになると思えそうですが、そこまでいかなくともエンジンの共通化というのはありえそう。
たとえば、X5 M50dなどに搭載され、今後のMシリーズにおける主力エンジンといわれているトリプルターボ・ディーゼル「N57-S」エンジンなどは、その最有力候補では?
【主なスペック】
形式:直列6気筒
排気量:2993cc
最高出力:280 kW(381馬力)/4000~4400 rpm
最大トルク:740N.m/2000~3000 rpm
軽量化につながるアルミクランクケース、3ターボチャージャー(可変タービン·ジオメトリとハイプレッシャー)、ピエゾインジェクターによる最大2200バールのコモンレールダイレクトインジェクション……といったプロフィールを持つ、このエンジンは環境性能と運動性能を両立した、いかにも欧州好みに仕上がっています。
というわけで、M仕様のディーゼルエンジンを積んだトヨタ(レクサス)車が出てくるという線と、まさにゼロからの共同開発としてBMWとトヨタによるスーパースポーツの登場という線のふたつを予想、いや期待します。
■BMWグループとトヨタ、協力関係強化で合意(トヨタ自動車)
http://www2.toyota.co.jp/jp/news/12/06/nt12_0613.html
(山本晋也)