昨年は超円高に加えて東日本大震災など日本のカーメーカーにとって未曾有の厳しい年となりました。そこで現在までを振り返ってみて日本の新車販売の実態がどうなっていたのか、そして立ち直りつつあるとされる最新状況を確認してみたいと思います。
一目でわかるように日本自動車販売協会連合会や日本自動車輸入組合が公開している販売統計データを使って「可視化」してみました。まずは昨年までの国内自動車販売状況から。
グラフは国産車、軽乗用車、輸入車に区分して各々8年間の販売推移を示しています。これによると、国産乗用車の販売台数(除軽)が2004年以降、どんどん右肩下がりとなっており、リーマンショックの翌年には340万台/年規模だった販売台数が260万台/年まで低下。
その後エコカーを対象にした補助金効果で2010年に300万台/年近くまで持ち直すのですが、翌年に東日本大震災が発生。東北の電子部品サプライヤがダメージを受けて生産が激減。
更には夏季節電の影響や秋のタイ大洪水による現地サプライヤ被災で再び車両生産がストップするなど、苦難続きとなり、必死で挽回するも前年比で18%ほど落ち込む事に。好調だった2004年比で見ると、実に100万台/年規模の販売ダウンとなりました。
一方の軽乗用車は極端な落ち込みを見せず、平均130万台/年規模で推移。前年比11%の販売台数減に留まっていることが判ります。
輸入車はと言うと、元々市場規模が20万台/年前後ということもあり、国産車に比較すれば大きな変動は無かったと言えるでしょう。むしろこの機に前年比+13%の販売台数増となっています。
ちなみに2011年度の国内市場分布を円グラフ化すると以下となります。軽乗用車の占める割合がかなり大きいのが特徴的です。
では今年2012年度はどうなっているのでしょうか。1~5月までの集計を見てみましょう。
国産乗用車(除軽)は前年同期比で+60%、軽乗用車は同じく+58%、輸入車は+29%と軒並み大幅な回復傾向となっています。
国産乗用車が極端に伸びたのは第2弾となる補助金効果と新コンパクトHVの「アクア」、そして依然首位を独走するプリウスが全体の販売台数を引き上げている構図となっています。
このように国産乗用車は300万台/年越え、軽乗用車も170万台/年越えが確実となりそうな回復ぶりを見せていると言えます。
次回は輸入車のブランド別販売推移と世界の自動車販売最新状況について迫ってみたいと思います。
■日本自動車販売協会連合会
http://www.jada.or.jp/index.html
■日本自動車輸入組合(JAIA)
http://www.jaia-jp.org/
【写真ギャラリーをご覧になりたい方はこちら】 https://clicccar.com/?p=167861