CX-5のディーゼルはココが新時代!

スカイアクティブ・ディーゼルが何故「新時代」のディーゼルといわれるのか? これに迫りたいと思います。

この「新世代」がキモなのですが、昔と違ってコモンレールとよばれる燃料噴射装置にあります。

ガソリンとディーゼルは燃料が違う他、爆発させる方式も違います。

ガソリンが点火プラグで引火させて爆発させることに対して、ディーゼルは圧縮した空気に燃料を噴射して爆発力を得ます。

そこで「新世代」ですが、燃料を噴射する精度が格段に上がっているのです。コモンレールと呼ばれる技術がそれで、高圧で精度の高い燃料噴射ができるようになりました。

例えばスカイアクティブではエンジンの状況(車速やアクセルペダルの開度やエンジンの状況等)に併せて、一回の爆発のために必要に応じて6回などに分けて噴射しているのです。

実はこの技術は(ここまで精度は高くなかったものの)都知事がペットボトルを振る頃には実現性が見えていたのですが、それが市販化までには追いつけませんでした。

欧州ではクリーンディーゼルを早くから実用化できたのは、実は需要のなくなった日本勢が後れただけで、技術的には当時から最先端だったというわけです。

ちなみに軽自動車に軽油をいれてしまう方がいるようですが、軽油はガソリンよりも発火しやすい燃料です。決して軽自動車用でも軽い燃料ではありません。

そのため高圧にすれば高温になって燃えやすいため、ガソリンエンジンのように点火プラグがなくても燃料を噴射すれば燃えるというわけです。こうしたことからディーゼルの圧縮比はもっと高いのが一般的でしたが、スカイアクティブ・ディーゼルは、14という低圧縮比でも大丈夫なエンジンを実現したのです。

低圧縮のメリットは、昔のディーゼルは圧縮比が高いためディーゼル特有の音が出ていたことに対して、低圧になったため静かになりまた。また、エンジンを頑丈に作らなくても大丈夫なことから、肉厚も薄くて軽量活低価格を実現しています。

昔のディーゼルを知っている方ほど「新世代」にビックリすると思います。

この低圧縮比を支えているのが「新世代」のもう一つのキモ、EGRとターボです。

EGRは排ガス再循環という意味で、文字通り排ガスを吸気側に入れてあげる装置。これの効果は排ガスには酸素が含まれていないため、燃える温度が低く抑えられて排ガス(NOx:窒素酸化物)がクリーンになること。

しかし酸素が足りないと、燃えかす(PM:粒子状物質、黒煙)が出てやはり排ガスが汚くなってしまう。そこでターボで十分な空気(酸素)を補ってあげるというわけです。

では両方なければ良いのでは? とワタクシも思ってしまうのですが、この両方があることで、バランスの良い燃焼が得られるということです。

そして排ガスのクリーンさですが、DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)というのを持っています。パティキュレートとは黒煙のことを指すのですが、これを除去できるようになりました。DPFは以前からあったのですが、燃料の質が悪いと上手く働かなかったりするなど、乗用車のメンテナンスは難しいものがありました。

しかし日本の軽油の質は高く、日本で販売されている軽油は世界で一番クリーンといわれており、こうした高価もあって排ガス基準をクリアできています。

つまり世界で一番厳しいと言われる日本の排ガス基準をクリアできる「新世代」ディーゼルに注目が集まるのは、自動車メーカーのがんばりと、燃料メーカーのがんばりの結果。「新世代」ディーゼルはいろいろな面の技術の進歩によって、静かで安く、しかもクリーンなエンジンにできるようになったといえるでしょう。

ちなみにコストをかけてクリーンな軽油をつくりだしたにも関わらず、日本ではあまり売れないことから輸送コストをかけて海外に輸出しています。ところが海外ではこんなにクリーンな精製した燃料は必要がなく、困っている面もありました。

ですがトラックだけでなく乗用車も消費してくれれば、燃料メーカーにとってもありがたい。

「新世代」ディーゼルに注目が集まるのは、広い視野で見てもエコの可能性があるから。ということもあるのかも?

「新世代」やはりスゴイと言うわけですね。

オフィシャルサイトはコチラ

http://www.cx-5.mazda.co.jp/

(佐藤みきお)