新型レガシィの直噴ターボのここが凄い【新型レガシィ マイナーチェンジ】

レガシィと言えば、1989年に初代が発表されて以来、先代まで2リッターターボのEJ20がフラッグシップ的存在でした。そして現行モデルが登場した際に、EJ20ターボは消滅し、フラッグシップエンジンはEJ25ターボに移行していましたが、今回のマイナーチェンジで再び2リッターターボのFA20DITが復活しました。

FA20DITのコンセプトは環境性能とクラストップの動力性能の両立にあります。そのためスバル初の水平対向4気筒2リッター直噴ターボエンジンとして新開発されました。今回はその新開発エンジンFA20DITに焦点を当ててみました。

ターボセットはエンジン下部のエキゾーストマニホールドとターボチャージャーがセットになったもの。エキゾーストマニホールド手前左側についているのがターボチャージャー。

ツインスクロール式のターボチャージャーのタービン側の排気ガス経路はふたつに分かれていて、それぞれ別のエキゾーストマニホールドからの排気ガスをタービンの羽に導きます。

このターボからの吸気に加えて、スバルのターボエンジンとしては初めてEGR(エキゾーストガスリサーキュレーション=再潤滑排気ガス)システムをを採用しました。これはエンジンの排気ガスの一部を還元させるもので、左バンク後方の排気ポートから、排気ガスを導きます。

そして水冷のEGRクーラー経由で、大容量EGRバルブから排気ガスをインタークーラー手前のサージタンクに送って吸気系に合流させます。

 

インテークマニホールドは樹脂製。

 

インテークマニホールドから燃焼室内に吸気したガスを縦渦流(タンブル)させるために、TGV(タンブルジェネレーテッドバルブ)と隔壁付吸気ポート、タンブル指向吸気ポートが採用されました。

TGVは低速域でも積極的にタンブルを発生させるためのバルブを備えていて、このバルブを閉じることで、吸気のタンブルを発生させやすくし、なおかつガス流動を高めて燃焼効率を上げるのが目的です。

 

隔壁付吸気ポートは隔壁によって通路がふたつに分かれ、そのままタンブル指向吸気ポートにつながります。

タンブル指向吸気ポートにも別パーツによる隔壁がありますが、低速域ではエンジン外側の通路をガスが通過して流速を高めつつ、タンブルを作りやすい状態に導きます。ちなみに高速域ではTGVが開かれて、吸気ポート全域を使用。

タンブル吸気ポートを通過してタンブルを作り出しやすい状態になった吸気は燃焼室に送り込まれ、キャビティ付DI専用ピストンの頭部形状に合わせてタンブルを作り出します。

 

ピストンの頭はタンブル用キャビティを中心として、燃料噴射を受け止めるキャビティや圧縮比調整、バルブの逃げなどで形状が複雑。ちなみに圧縮比は10.6:1です。

ピストンスカートは2階層構造固体潤滑皮膜を採用して、従来コーティングの上層摩耗促進皮膜を上乗せすることによって馴染みを促進させてフリクションを低減しています。ボア×ストロークは86×86 mmのスクエア。

 

シリンダーブロックはオープンデッキ構造となっています。

 

NAのBRZ用FA20エンジンとは異なり、ターボエンジンのためDIT用コンロッドは強化されました。

 

唯一BRZのFA20と共通なのがクランクシャフト。

 

高圧燃料システムは燃料ポンプから燃料供給レールというパイプを通じて左右両バンクに燃料を送り込みます。

高圧インジェクターはマルチホール噴霧を行ないます。ちなみにBRZ用FA29のインジェクターは、ファンスプレー噴射で低圧インジェクターも備えている点がBITと異なります。

 

排気バルブはナトリウム封入のものを使用して信頼性を向上させました。

吸排気バルブのタイミングはデュアルAVCS(アクティブ・バルブ・コントロール・システム)による可変式。またバルブを作動させる機構はロッカーアーム式で、カムシャフトの駆動方式はタイミングチェーン式を採用しています。

 

フリクションロスの低減策として、オルタネータープーリーにワンウェイクラッチを採用。またエンジンオイルを5W30 ECOの専用品として、フリクションロスをEJターボ比で27%低減させました。

エンジンコントロールはEDU一体型ECUをエンジンルームに横置き配置。これらによって最高出力300ps/5600rpm、最大トルク400N-m/2000〜4800rpmという高出力を発揮すると同時に、JC08モード燃費は12.4/ℓなりました。

まさにハイパワーと環境性能を両立させたエンジンだと言えますね。

(ぬまっち)

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