小型クリーンディーゼルのコストダウンにつながる新コモンレールシステム

第33回ウィーンモーターシンポジウムにおいて、大手部品メーカーのデルファイは、小型エンジン向けの新しい軽量ユニットポンプコモンレール(UPCR)システムを発表しました。

1~4気筒の小型ディーゼルエンジンを前提に設計されたという、このUPCRシステムの特徴は費用対効果に優れていることだそうです。

現代のクリーンディーゼルには欠かせない高圧で緻密な燃料噴射を可能にするコモンレールシステムですが、高圧ポンプなどにコストアップの要因があるということ。デルファイのシステムは、ポンプ部分に低コストの代替技術を用いることで費用対効果に優れたシステムになっているといいます。

この軽くてコンパクトなコモンレールシステムは、農機具や産業機械などのクルマ以外も含んだ小型ディーゼルエンジンにおいてある種の理想的な技術ということです。

さらに現在の量産システムでは、1600barとなっている圧力は、軽量コンパクトながら2000barまで高められ、厳しいユーロ7規制をクリアすることができるということです。

高速ソレノイドディーゼルインジェクター、エンジン制御モジュール(ECM)、高効率・低コストの燃料フィルター、計量弁(IMV)を持つ燃料ポンプからなる、このUPCRシステム。
クリーンディーゼルのコストを下げることで、小型のクリーンディーゼルエンジンの普及とアフォーダブルな車両価格実現に向けて、期待されるテクノロジーといえそうです。

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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