CX-5には、SCBS(スマート・シティ・ブレーキ・システム)+AT誤発進制御という、先進の安全装備が備わっています。
SCBS(スマート・シティ・ブレーキ・システム)は、約30km/h以下の走行中であればセンサーが前方の車両を検知して、衝突の危険性が高い場合はブレーキを自動制御してくれます。この際ブレーキが踏まれると踏力よりも強い力でブレーキをかけるほか、ブレーキが踏まれなくても自動的にブレーキをかけてくれるので、衝突もしくは衝突の被害を軽減できます。
高速道路での渋滞中に前方不注意で追突事故がおきていますが、このシステムを装備すればこうした事故は減るのかもしれません。
そして誤発進制御。近年、発進時にアクセルとブレーキの踏み間違えで建物等に突っ込んでしまう不幸な事故が増えています。
多くの方がアクセルとブレーキを踏み間違えるなんて! とお思いでしょう。ですが実際に事故は起きています。
この誤発進制御はこうしたミスをカバーする機能で、前方に障害物があると判断された場合はアクセルを踏んでも動きません。もちろんアクセルをしっかり踏めば、するすると(クリープ的に)動き出してしまいますが、いざという時には違うのではないでしょうか?
ちなみに検知できる距離は前方4mということですが、ほとんどのコンビニ&縁石の関係を網羅しているそうです。
実際に体験させていただきましたが、疲れているときや気がつかずにペダルを踏み間違えている場合には非常に効果がありそうです。
幸い自分は今までこうした事故を起こしたり巻き込まれたことはないのですが、もう良い年ですので運転時は気を抜かず、こまめな休養が大事だと改めて感じました。
CX-5にはこれだけでなく、後方からの車両の接近を知らせるRVM(リア・ヴィークル・モニタリングシステム)もあります。
これは約30km/h以上での走行時、隣の走行車線後方から接近する車両を検知した場合、検知した側のドアミラー鏡面に備えたインジケーターでドライバーに知らせてくれる装置で、そのトキにウィンカーを操作すればウィンカーの点滅とブザーで車線変更の危険を知らせてくれる、高速走行時における車線変更の危険を減少させてくれるシステムです。
このSCBSやRVMはディーゼルの最上級車種であるXD Lパッケージに標準装備。ガソリンの20C以外にはセーフティクルーズ・パッケージとして、オプション設定されています。機能的には他社のクルマにも見られますが、なんと価格は7万8750円(+クルーズコントロール)。
新車を購入する際に装着するオプションとしては高いものではないですし、これで事故が減るのであれば、むしろ「安い!」と言えるでしょう。
実際、購入者の6割の方が装着されているそうです。
そうそう、この機能はクルーズコントロールとの連動はないのですが、検知にレーザーセンサーを使っていることから、雨や霧、夜間でもしっかり検知してくれるということです。
マツダは追突事故の過半数が時速30 km以下で起こっているというデータに着目し、装着の可能性(いかに安くして多くのクルマに装着するか)を探ったそうです。
どれだけ優秀でも高額であれば装着率は低く、安くて標準装備にしても効果が低ければ意味がない。こうした先進安全装備は多くのクルマに備われば、それだけ安全性が増すわけで、機能と装着率も重要です。
各社の努力は、クルマの安全性を高めているというわけですね。
(佐藤みきお)