取り締まり中!? 回転灯を点けサイレンが鳴ってないパトカーって何をしている?

普段運転していて、特に違反している訳でもないのに、回転灯が点灯しているパトカーが背後から接近するとドキっとしますね。そこでふと素朴な疑問が湧いてきました。

回転灯を点灯させ、サイレンを鳴らしている場合は当然緊急走行中ですが、回転灯だけを点灯させ、法定速度を守って走行しているパトカーを見かけます。

これは緊急走行ではないのか?

答えはちょっとビミョーになります。

道路交通法の(緊急自動車の要件)第14条によりますと、

前条第1項に規定する自動車は、緊急の用務のため運転するときは、道路運送車両法第3章及びこれに基づく命令の規定(道路運送車両法の規定が適用されない自衛隊用自動車については、自衛隊法第114条第2項の規定による防衛庁長官の定め。以下「車両の保安基準に関する規定」という。)により設けられるサイレンを鳴らし、かつ、赤色の警光灯をつけなければならない。ただし、警察用自動車が法第22条の規定に違反する車両又は路面電車(以下「車両等」という。)を取り締まる場合において、特に必要があると認めるときは、サイレンを鳴らすことを要しない。

と、あります。

第22条とは、

車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。

つまりスピード違反の事。
ですので、スピード違反のクルマを取り締まる場合はサイレンは必ずしも必要ないと言う事になります。

一般的に多いのは、追尾しながら違反者の速度測定をする場合はサイレンを鳴らす必要が無く、回転灯の点灯だけで緊急走行が出来ると言う事になります。

では、一般道で回転灯させ、法定速度で走行しているパトカーは?と言うと、速度違反車の追跡以外では緊急走行と認められないため、こちらは防犯目的で点灯走行している事が殆どのようです。

冒頭にも書きましたが、回転灯だけを点灯させながら背後に迫って来るだけでドキッとしてしまうくらいですから、街中をパトカーが回転灯を点灯して走行するだけでかなりの防犯効果があるようです。

(井元 貴幸)