日本の法規制でデザインが台無し……日本独自の後付け装備

輸入車の場合、各国の法規制や使い勝手に合わせて装備や仕様を変更/追加し、それぞれの国仕様にして輸出しています。特に正規輸入車の場合、忠実に法規制に対応していないと輸入できません。

その仕様変更により本国仕様には無い、残念な仕様に変わってしまうケースも数多くあります。

最近特に議論を呼んでいるのはBMWの新型3シリーズの18インチ仕様車に装着されているフェンダーアーチプロテクション。

純正で見栄えや走行性を高めるため、ぎりぎりまでツライチに近い状態にしたBMWには拍手を送りたいところですが、日本の保安基準ではフェンダーからタイヤがはみ出すのは当然基準違反となります。そのため、正規輸入車の18インチ仕様にはこのようなプラ板のようなものが装着されます。

実際にはそのままでも基準をギリギリ満たしているようですが、安全マージンを取って装着されるとのことで17インチ仕様車をオプションで18インチ仕様車に変更する場合、このプロテクションも別途購入する必要があるようです。

ちなみにお値段は、フロント側が左右各4347円(税込)、リヤ側が左右各2184円(税込)。さらにに接着剤2919円(税込)を購入する必要があり、これだけで1万5千981円(税込)!! それだけでなく、この部品は未塗装なので別途塗装代がかかります。
全く金額が違いますが、F30の美しいデザインを犠牲にするくらいなら正直、奮発して19インチ仕様にしようかと思わせる残念な装備です。

歩行者や他車への交通安全のためにに守らねばならない保安基準ですが、BMWのデザイナーやエンジニアもまさかこのようなモールが取り付けられることとなるとは思いもよらなかった事でしょう。

(井元 貴幸)