メルセデスベンツSクラスに見るクルマのエクステリアが訴えかけるものとは?

上の2つの写真は現行型W221型メルセデスSクラスの写真ですが、左はAMG、右は標準仕様です。
どちらも流石Sクラスと言った堂々とした佇まいですが、AMGはそのスペックに相応しいエクステリアとなっています。

大型のエアロバンパーやサイドスカート、大径ホイールと、現代のクルマは上級モデルやスポーツモデルで、エクステリアに違いを設けています。

コチラの写真はW116型Sクラスの写真で、左が450SEL 6.9と言うV8 6.9Lを搭載するモンスターマシン、右が一般的なSクラスでもある直6 2.8Lを搭載する280SEですが、はっきり言って見た目の違いからそのスペックの違いを見出すことはできません。

強いていうなら、480SEL 6.9のトランクリッドに装着されている480SELと6.9のエンブレムとタイヤ/ホイールくらい。ここまで見た目が同じでも全くの別物くらいのスペックの違いがあります。

現行車種のほとんどは、スポーツグレード等を中心に開口部の大きいバンパーやエアロパーツが装着されていますが、そのほとんどは機能パーツというより見た目重視のモノが多く、販売のてこ入れ等の際には専用装備と謳っていたエアロパーツも標準モデルに装着し、特別仕様車として販売するケースも目立ちます。

個人的にはクルマのエクステリアは第一印象みたいなものになるのでとても大事だと思いますが、クルマの性格が見た目に出てくるのが最近のセオリーなんだとつくづく感じました。

W116型480SEL 6.9は控えめな外観にも関わらず、そのボンネットに収まるのは6.9L V8 286psのエンジン。
今の国産車でもそのスペックを下回るクルマはざらにあり、約35年前のクルマとは思えません。

480SEL 6.9は今のS65L AMG的な位置づけでしたが、外観が標準モデルと変わらない所に羊の皮を被った狼的なスタイルで好感が持てます。
エクステリアに頼らない純粋な性能差だけの違いに、これはこれでアリなのかとも思いました。

(井元 貴幸)

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