EVでもハイブリッドでもない第3のエコカーにも注目が集まっていますが、その中でも期待を集めるスカイアクティブがフル搭載されたマツダCX-5が登場しました。
すでにデミオでガソリン・エンジン、そしてアクセラでガソリン・エンジン+6速ATが登場していたわけですが、ついに完成! というわけです。
そこでCX-5の特徴を見ていくことにしましょう。
ついにフル採用となったスカイアクティブ・ガソリンですが、なんといっても4-2-1の排気マニホールドに注目です。
一般的に4気筒のガソリン・エンジンは4つあるシリンダーから伸びる排気マニホールドを4-1でまとめています。これは排気管の長さを短くエンジンルームを小さくできるなど(室内を広くできる)メリットがあります。ですが排出された高温のガスがぶつかりあい、燃焼室に押し戻されるケースがあります。こうなると燃焼室の温度が想定よりも高くなってしまい、ノッキング(異常燃焼:パワーダウンや排出ガスが汚くなる)が起こる可能性が高まります。
対してスカイアクティブでは4-2-1としています。4-2-1とは4本を一気に1本にまとめるのではなく、4本から2本、2本から1本とまとめることです。当然、排気管の長さが長くなりますがガスが合流するまでの長さを確保できることから、燃焼室に残る排出ガスを減らせるというわけです。スポーツカーやチューニングの世界では、よく使われているもので「ガスの抜け」が良いことが特徴。
以前から圧縮比を高めると理論的に効率改善することはわかっていました。ですが、圧縮比を高めすぎると、ノッキング(異常燃焼)が起きてしまい、出力が下がってしまうことから難しかった。
ですがスカイアクティブ・ガソリンは、圧縮比を高めながらもノッキングさせないために、
キャビティ(くぼみ)付きピストンやマルチホールインジェクター(6つの噴射口)、それに4-2-1の排気マニホールドを採用して、排気に抜けをよくしてノッキングを起こさないようにしているのです。
スカイアクティブ・ガソリンエンジンの圧縮比は13.0。レギュラーガソリン仕様の車としては非常に高効率のエンジンにできた理由は、こうしたことが挙げられるでしょう。
ちなみにハイオク仕様にすれば、さらに圧縮比を高めて14.0にできるそうですが、燃費が良くてもガソリンが高いと敬遠する方もいるでしょうから、日本仕様はレギュラー仕様となっています。
CX-5のガソリン車の燃費は、最高出力155ps/6000rpm、最大トルク20.0kgm/rpm (4WD車は154ps/19.9kgm)のスペックを誇りながらもJC08モードで2WDが17.6km/L、4WDが17.0km/L。
より実際に近付いた新しい測定モードのJC08モードが公表されているレクサスRX270(2WD)が10.0km/L。ハイブリッドのRX450hが17.4km/L(2WD)、16.8km/L(4WD)。ホンダCR-Vは2.0L(FF)が14.4km/L、2.4L(4WD)が11.6km/L。そして従来の10・15モードが公表されている日産エクストレイルは2WDのガソリン車で14.0km/L(20X)です。
CX-5はガソリンも好燃費というわけです。
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(佐藤みきお)