メンバーが固定化されているだろうから、そんなに変わったところはないだろうなと思いながら足を運んだ第3回EV・HEV駆動システム技術展で、とても楽しげなシニアカーを見つけたのでリポートします。
この展示会は、“オートモーティブワールド2012”という大きな展示会の一部で、他にはこのショーの元になった第4回国際カーエレクトロニクス技術展(通称:カーエレJAPAN)、第2回クルマの軽量化技術展があります。元々は一つの展示会だったのですが、カーエレJAPANから毎年スピンオフさせているため、開催回数が異なります。
さて、前から気になっていた、プリウスをプラグイン化するキットをご紹介しましょう。
ビートソニックという、純正ナビゲーションの交換キットで名を馳せた会社が開発したこのキット、新たに30系プリウスに対応し、“プラグス100+”として今回デビューしました。
前作である20系プリウス用の“プラグス40+”から大幅にバージョンアップしています。この数字は、EVモードで走行できる最長距離を表しますので、40kmから100kmにと大幅に進化したことを意味します。このためバッテリーも12kWhと純正ニッケル水素(1.3kWh)の9.2倍に容量がアップされています。
このシステムは単にプリウスにコンセントを付けただけではなく、駆動用バッテリーやバッテリーマネジメントシステムをはじめとした補機類も丸ごと交換してしまうというダイナミックなもの。
バッテリー以外は自社開発したとのこと。
それだけに価格もスーパーで、“40+”の方で総額170万円もしました。じゃあ“100+”の方は単純計算で425万円?!「走行可能距離が2.5倍になりましたが、価格差はそこまでにならないようにしたいと思っています……」とは担当者の弁。
システムコストの大半を占めるバッテリー価格がネック。アメリカのInternational Rectifier社製。
狙いは新車いきなり交換ではなく、新車から乗り続けて、あるいは中古車で買ったクルマのバッテリーの性能が落ちてきた時にこれに交換してくれれば、ということらしいです。
「バッテリー交換時期を迎えたクルマは、交換せずに廃車にされるケースが多いと聞いています。バッテリー以外はまだまだ使えるのに。せっかくエコなクルマを買ったのに、使用期間がガソリン車より短いというのはいかがなものかと思いまして」とは担当者の弁。
ちなみに前作“プラグス40+”の方は、累計12セット販売。納入先は、やはり研究目的の法人がほとんどで、個人は内2セットだけだったそうです。
この金額だとやっぱり新車に買い換えるよな~と思いながら会場を後にしました。
(Autanacar)