NSXコンセプトは2001年に設定されていた!?【デトロイトショー2012】

デトロイトショーにて発表されてNSXコンセプト。次期モデルは北米開発・北米生産になるとアナウンスされておりますが、なににしてもNSX復活というのはホンダファンならずとも注目。

 

さて、そのNSXコンセプトのパワートレインはリリースによると次のような想定だと発表されています。

NSXコンセプトは、軽量なボディに次世代V型6気筒 VTEC直噴エンジンをミッドシップレイアウトで配置し、走りと燃費性能を両立した高効率・高出力のハイブリッドシステム「Sport Hybrid SH-AWD(R)(Super Handling All Wheel Drive)」を搭載した新しい価値を提案するスーパースポーツモデルです。
新開発したSport Hybrid SH-AWD(R)は、エンジンと高効率モーターを内蔵したデュアルクラッチトランスミッションを組み合わせ、前輪の左右を独立した2つのモーターで駆動する電動式の四輪駆動システムを搭載したハイブリッドシステムです。
Honda独創のトルク自在制御システムにより、左右のトルクを独立的に制御することができ、クルマの旋回に必要な力を自ら生み出し、革新的なオン・ザ・レール感覚のコーナリングが可能となりました。この駆動システムにより、スーパースポーツならではの加速感とドライバーとマシンの一体化による走る喜びを体感することができるとともに、優れた環境・燃費性能も実現しています。
このNSXコンセプトをベースとしたスーパースポーツは、米国で開発と生産を予定しており、3年以内に同国内で発売を予定し、順次グローバル展開を目指していきます。

V6エンジン+モーターをリア・ミッドに、フロント左右を独立したインホイールモーターで駆動……いかにもホンダらしい現代的な提案だと思いつつ、このメカニズムに既視感あり。

 

いや、思い込みではありません。実際にV6+モーターをリアに積み、フロントをモーター駆動するクルマは2001年に発表されておりました。

 

それは、こちら。

 

ホンダが2001年の東京モーターショーに出展した『デュアルノート』が、まさしくそうしたパワートレインを搭載していたのです。

 

下記の引用はデュアルノートのパワートレインを説明したものですが、まさにここでの研究がNSXコンセプトにつながっている、と考えてよさそう。

 

V6 3.5L DOHC i-VTECエンジンとモーターブースターともいえる独自のハイブリッドシステムをさらに進化させたHonda IMAシステムを採用。さらにフロントドライブモーターを加え、400PS というハイパワーとともに18km/Lの低燃費をめざし、運動性能と環境性能を高次元で両立します。ミッドシップエンジン・リアドライブ、ハイブリッド4WDのパワープラントに、スムーズで安定したコーナリングを生むATTS や、クルマの横滑りを抑える車両挙動安定化制御システムVSA を装備。これらが協調制御しながら4輪を独立制御し、タイヤの機能を最大限に引き出すことで、駆動・制動・旋回における高度なパフォーマンスを獲得しています。

いろいろ紆余曲折はありましょうが、10年以上前から研究・模索されていたハイブリッドの4WDシステム。果たして、どのような異次元の走りを見せてくれるのでしょうか。

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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