サトリア・ネオGr.Nラリーカーのインプレ。高崎くす子タンとハァハァしてきました!【痛車全日本ラリー】プロトン サトリア・ネオ 詳細撮影その7

CJRTプロトン サトリア・ネオ Gr.Nラリーカー詳細撮影もいよいよ最終回。

撮影だけでもありがたいのに、なんとCJRTプロトン サトリア・ネオ Gr.Nラリーカーに乗ってしまいました。それも榛名湖で!

かっこいい写真を撮影するためになんと筆者撮りおろしの引っ張り撮影も敢行!ブログメディアでここまでするやつもいないだろう、と自負。

ただ、実際にマシンに乗り込んでみるととんでもない事態が発生。

サイドバーが邪魔して乗れない。デブな自分を恨みました。足から入れ、というCUSCOのスタッフの方の言いつけを守ったら割と簡単に乗ることが出来たので、経験は重要だな、と。

シートはこのマシンのドライバーだった明治選手のポジションに合わせて固定してあったので全く動きません。ここでもう一つのトラブル。3点式シートベルトが締まりません。またもやデブな自分を恨みます。ダイエットを誓った瞬間でもあります。

しかし乗ってみると意外と広い。さすがは今の時代のクルマです。

遮音材などというものはほぼ全て剥がされているので、エンジンをかけるとメカニカルノイズの洪水です。特にうるさいのは走り出してからのドグミッションの音。ギュイーン、ガツン、ギュイーンとシフトチェンジもすごい音です。クラッチを切らなくてもギアチェンジできるとは言われていたのですが、壊すと70万円!やっぱりクラッチは使わせていただきます。

強化クラッチが入っているはずなのにクラッチの踏力はかなり軽い。ノーマルのサトリアに毛が生えた程度ですね。

ブレーキはノンサーボ。普通車のつもりでブレーキペダルに足を乗せても何の反応もしません。ガツンと踏まないと何も起きない。しかし、力いっぱい踏んでブレーキが利き始めてからの微妙な操作がすごくしやすい。サスペンションは競技用で固いのですが加重移動はかなりわかりやすく、ブレーキの微妙な操作で前加重をコントロールしやすい。フロントタイヤの喰いつきまでも操作できるのにはビックリ。

ロールゲージで補強してあるためにボディー剛性もかなり向上。その上、エンジンマウントが・・・

リジットの直結タイプ。エンジンブロックが剛結続されているのでタワーバーなんてものは必要ないのです。

リジットタイプのエンジンマウントのおかげでアクセルの反応も俊敏。ハンドルなんかただのきっかけ、加重移動とアクセルワークで本当に曲がってくれます。Nゼロのロードスターがおもちゃに感じるほどの剛性感はとんでもない。

ドリフトが苦手な筆者ですが、このマシンの滑り出しはすごく楽しい。初心者レベルの速度域だったらサイドターンも必要ないくらいクルクルと向きを変えます。

意外だった点はまだあります。音の洪水にだまされがちですが、乗り心地がすごくいい。サスペンションはかなり固いのですが、舗装路レベルの目地段差で車体が突きあがることはなく、すべてバネ下で吸収してくれます。音が静かだったらかなり快適なクルマだといえます。

Gr.Nといえどもラリーカーは公道や悪路を長距離走るクルマですから、基本的な乗り心地を欠いてしまっては勝てるものも勝てなくなってしまうのでしょう。乱暴なところは微塵も感じられない走りに感動してしまいました。

それでもやはり競技車両ですから、運転を終わってみると結構な汗をかいていました。意外と息も上がってるし。まさに高崎くす子タンとハァハァしてしまった。立派にスポーツです。

 

CJRTプロトン サトリア・ネオ Gr.Nラリーカーの詳細撮影は今回で最終回です。今後も面白いクルマ、気になる車を見つけては詳細撮影シリーズをお届けしようと思っております。

CUSCOジュニアラリーチーム http://www.cusco-jrt.com/

 

(北森涼介)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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