最後の出展? 関東自動車のフラッグシップセダン・コンセプトに涙【東京モーターショー】

関東自動車といえばトヨタグループにおける老舗企業のひとつ。

クルマの開発から生産まで担当できる能力を持つ関東自動車は、まさに自動車メーカーといえる車両メーカーです。

 

現行の生産車種にしてもアクア、ラクティス、イスト、ベルタといった小さなものからブレイド、アイシス、カローラ、カローラフィールダー、アイシスといったサイズまでをカバー。さらにクラウンコンフォートに、センチュリーといったショーファーモデルの生産も関東自動車の担当です。

 

東京モーターショーには独自のブースで出展しています。

 

今回は5台のコンセプトカーを展示していますが、いかにも関東自動車らしいと思えて仕方がないのが、この一台。

フラッグシップ・セダンの頭文字をとった「FS ハイブリッドコンセプト」。

 

自走可能な仕上がりといいますが、その中身は完全非公開。ボディサイズも不明なわけですが、かなりの巨体。それほど大きく見えないタイヤのサイズが235/50-18と記せば、想像できるでしょうか。

 

パワートレインは電気と内燃機関のハイブリッドとだけ公表される、このコンセプトカーは、まさに次世代のショーファーカーをイメージしたもので、初代クラウンを彷彿とさせる観音開きのドアも印象的。

 

思えば初代クラウンをモチーフとして2000年に限定生産された「オリジン」を生産したのも関東自動車でありました。

 

こうした高級車の製造ノウハウを持つ一方で、話題のニューモデル「アクア」などハイブリッドカーの生産も担当しているわけですから、まさしくいまの関東自動車を象徴するコンセプトカーといえましょう。

 

 

そんな個性的かつ独自性のある関東自動車ですが、東京モーターショーでこの社名を見るのは今回が最後になりそうです。

 

すでに発表されているように、2012年7月頃に合併する予定だから。トヨタ自動車東北、セントラル自動車、そして関東自動車の三社がひとつになって「トヨタ自動車東日本」になることが内定しているのです。

 

おそらく関東自動車として最後となろう東京モーターショーに展示された「FSハイブリッドコンセプト」に、関自魂、誇りを感じずにはいられません。

 

 

(山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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