乗る前からワクワクするクルマ 80年代電子版すべてシリーズを読む その6 【CARSTYLING VIEWS 14】

80年代の自動車業界というのは、いろいろなことが起きました。70年代の燃費や安全など高すぎるハードルを超えたからこそ、ようやく翼を広げて飛び立てるといった感じだったのかもしれません。

そのなかで、やはりびっくりさせられたのがオープンカーの復活だったでしょう。もはや50年代、60年代の英国ですたれてしまったと思って、誰も見向きもしなかったライトウェイトなオープンカーを突如として日本車が作ってしまったのですから。

それも単に売れたというだけでなく、そこからオープンカーがひとつのカテゴリーとして復活するまでにフォロアーを生んでしまったのですから。ユーノス・ロードスター(ミアータ/MX-5)は日本で初めてのムーブメントとなり得たクルマといってよかったでしょう。

とにかく乗るだけでわかる楽しさ、そして手ごろなサイズ感=お手軽さが魅力の一端を担っていたようです。

今のクルマの技術は、なにか付けたしのように思われます。衝突安全といえばいまのボデ衝撃吸収構造を増設したり。燃費や安全のためにどんどんクルマが重くなったり。人発のクルマ作りといっても、みえてくるのはクルマありきの開発です。

もっと人のサイズからクルマが作られればいいのですが。

(MATSUNAGA, Hironobu)