しかし、なぜ日産やホンダがこのような旧モデルベースをつかった新型モデルを出すのでしょうか。キーワードとなるのが「中国内陸部」です。
日系メーカーは中国に進出して以来、クルマが購入できる富裕層が多い沿岸部での販売を主としていました。
しかし、お金持ちだけでない中国人が昨今、クルマを購入しはじめると日系メーカーとくらべ価格が安い現地ブランドの小型車を買うようになりました。(写真は2010年一番売れたBYD・F3)それは沿岸部にくらべ発展が遅かった内陸部の人たちもです。
今年に入り特定減税措置が終わったことなどの影響で現地ブランド、とくに小型車はやや苦戦をしていますが相対的に「安い小型車」を購入する層は今後も増えていくと見られています。
じゃあ日系メーカーも安いクルマを投入すればいいのでは、と思うのですが中国市場で日系メーカーの多くは“ブランドイメージ”を高める戦略をとってきました。そのため、クルマを安くするとブランドイメージの低下、という問題が出てきます。
日産ティーダは中国市場で販売好調ですが、ブランドイメージが販売に一役かっていることは間違いありません。
「クルマを安く販売したいが、ブランドイメージは落としたくない…」という課題を日産やホンダは現地合弁会社が新ブランドを作り、すでに販売を終了したモデルを「リユース」することで現地メーカーに負けない価格勝負ができるクルマに仕立てた、というのが真相なのです。
ホンダは今回のショーで、もうひとつの合弁会社「東風本田汽車有限公司」にも新たな独自ブランド(CIIMO/中国語名:思銘)を作り8代目シビックベースのあらたなモデルを作ることを発表しました。
今後、トヨタをはじめとする日系メーカーが「リユース戦略」に追随するかに注目です。
(クリッカー編集部)