東日本大震災の半年後に発生したタイの洪水でまたもや日本車メーカー各社が部品調達難に陥り、12万台規模の減産に追い込まれる中、トヨタも洪水の影響で部品供給が滞り、10月10日からタイ3工場の生産を停止中で、5万台を超える減産となっているようです。
トヨタは世界販売台数において、昨年まで3年連続でGMを抑えて首位だったのですが、最新の2011年度販売台数予測ではなんと、VWにも抜かれて3位以下に転落することが確実視されているようです。勿論、翌年の2012年度には一気に首位に返り咲く計画のようですが・・・。
一方、トヨタの今年4月~9月までの半年間の月当たり平均国内販売台数に目を移すと、プリウス:2万台、ヴィッツ:1万台、カローラ:5000台、ラクティス・パッソなどコンパクト系:各4000台、ノア・ヴォクシー:各3000台、ウィッシュ:2800台、CT200h:2000台、マークX:1700台、クラウン、エスティマ:各1600台といった状況。
御覧のとおり、今や売れ筋はもっぱらHVやコンパクトクラスの5ドア車、1Box車が中心で、マークXやクラウン以外の4ドアセダンは既に絶滅状態。頼みの高級車路線であるLexusもかろうじてCT200hが顔を出している程度。しかも4ドアセダンを食っていた人気の大型ミニバンも既に上位30位圏外へ消えています。
早い話が利益幅の少ないモデルしか売れていないのが実情。そこでトヨタが考えているであろう戦略の一つは『セダンの復権』。と言っても普通のセダンではありません。
ズバリ、『HVスポーツセダン』へのシフト。つまり、従来のような退屈なセダンでは無く、クルマ好きも一目を置く次世代のHVスポーツセダン。 ここは正に「走り好き」の豊田章男社長の腕の振るいどころでしょう。
その予兆が発売間近の新型Lexus GSであり、噂されている次期Lexus ISやFT-86の4ドア版へと繋がっていく模様。 マークXやクラウンも今後はHV車が中心となり、エンジンは燃費や排ガス対策で有利な小排気量+ターボ装着路線にシフトしていくものと思われます。
http://www.carsguide.com.au/site/news-and-reviews/car-news/toyota_ft-86_sedan_tipped
もう一つの戦略は超低燃費なコンパクトHVカーの拡大でしょう。具体的には既に幾度かお伝えしている新車種の「アクア」を手始めに次々と既存のコンパクトカーをHVへシフトさせていくものと思われます。
勿論、VWやBMWが開発している量産版EV車への対抗処置でも遅れをとる訳にはいきません。そのEV車量産化までの空白期間を埋めるのが2012年1月に300万円前後で発売されるとの噂のプリウスPHVで、それに併せて国内でも全国のトヨタ系販売店やレンタカー店など5500店に充電器を設置するそうです。
更にはトヨタがかねてから実用化に向けて開発中のFC(燃料電池)車もそろそろ具体的になるでしょう。このようなクルマ達の一部が今年12月3日から東京ビッグサイトで開催される東京モーターショー2011でお目見えする可能性が高そうです。
現在、出展が噂されているのはFT-86市販版、アクア、新型Lexus GS(HV、F SPORT含む)、マイチェン版プリウス/PHV、次世代技術搭載車(次期クラウンコンセプト+FC?)など。それ以外の出品車についてはトヨタの情報公開日が11月16日のようなので、まもなく全貌が判明することでしょう。
以上のように、トヨタは東京モーターショー2011で今後の戦略をそれとなく匂わせるものと思われます。
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(Avanti Yasunori )
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