前回は最近のエアコンの操作方法、前々回は最近のワイパーについてをお伝えしましたが、今回は最近のパーキングブレーキです。
僕のレガシィを友人に運転させた時に必ず使用法を聞かれる装備が電動パーキングブレーキ。欧州車で多く採用されつつあるこの装備、国産車ではレクサスLS460に2006年、国産車で初採用されました。
しかし採用からまだ日が浅くコストも高くつく為、採用されているクルマは少ないようです。
しかしこの装備、単に手動でできたものを電気でやってもらうだけでなく、イロイロな機能もついており、使い慣れると意外に便利な装備です。
正直現行型レガシィに採用された時は、それまで手引きのパーキングブレーキが採用されてきたこともあり、緊急時の操作性やバッテリー上り時の不安等がありました。が、もちろん重要保安部品であるブレーキ関係ですので緊急時への対処もバッチリしてあります。
では、電動パーキングブレーキならではの意外と知られてなさそうな操作方法をお伝えします。
その①
緊急時、走行中にフットブレーキが利かなくなり、パーキングブレーキを使って停車させる場合。
電動パーキングブレーキ作動ボタンを押し続けると、ゆっくりパーキングブレーキを作動させ走行中でもタイヤをロックさせる事なくパーキングブレーキが作動します。
その②
バッテリー上りの状態でパーキングブレーキを解除する場合。
車両外部にある緊急時解除装置に車載の解除工具を差し込み200回ほど回転させると解除が出来るので、緊急時の対策もされています。
その③
他にも坂道で効きが甘い時に2度押しすると強めに作動したりといった、手動操作に近い機能も付いています。
その④
使っている人にはわかってると思いますが便利機能として、ブレーキがかかっていても、アクセルを踏むと自動解除する機能があります。
その⑤
これも知ってるかたは多いでしょうが、一定の登り坂で停車すると、自動的にパーキングブレーキが作動するヒルホールド機能が付いてます。これらは特にマニュアル車に乗っている方には重宝される機能だと思います。
頻繁に坂道発進を繰り返す、渋滞した立体駐車場等ではAT車でも恩恵に預かる事もあるくらいです。
レガシィの場合アイサイト装着車では、アイサイト停止動作後に自動的電動パーキングブレーキが作動する機能もあり、パーキングブレーキの電動化により、アイサイト等と組み合わせて自動制御するのにも適した構造だともいます。
ちなみに、メーカーにいる友人に聞いた話では電動パーキングブレーキの作動音に拘りがあるそうで、作動時の音はあえて聞こえるように、かつ耳障りでない音量、音質に拘っているそうです。
これから、コストが下がってくれば他の機構等と連携もしやすい上、スペースも取らないので、脚踏み式に変わり、採用車種も拡大してくると思われる次世代のパーキングブレーキです。
(井元 貴幸)
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