RX-9で「ハイブリッド」に進化するマツダロータリー!

http://www.mazda.co.jp/philosophy/rotary/graffiti/index.html

今年2011年はマツダが1961年にロータリーエンジン試作機を完成させてから50周年に当たるそうです。そのロータリーエンジンの歴史に新たな一歩が築かれつつあります。海外メディアによると、後継となるRX-9でロータリーエンジンの良さを活かしつつ、HVシステムとの融合作業が進行している模様。

http://www.windingroad.com/

そこで、これまでのMAZDAのロータリーエンジン50年の歴史を少し振り返ってみましょう。

1959年 ドイツNSU社(現在のAudi) がヴァンケルと共にロータリーエンジンを発表
1961年 MAZDAがNSUと技術提携、ロータリーエンジン試作1号機完成
1963年 第10回全日本自動車ショーでMAZDA製試作ロータリーエンジンを発表。
1964年 ロータリーエンジンを搭載したコスモスポーツのプロトタイプを自動車ショーで展示
1965年 コスモスポーツのプロトタイプ60台で総距離300万kmに渡る走行テスト実施
1967年 世界初2ローター・ロータリーエンジン搭載の量産車「コスモスポーツ」を発表
1999年 東京モーターショーのコンセプトカーに高出力ロータリーエンジン「RENESIS」を搭載
2003年 RX-8に「RENESIS」エンジンを搭載して発売
2007年 燃費・トルクアップを目指した次世代RENESIS 「16X」直噴エンジン発表

燃費や耐久性などの技術的課題やオイルショックでの苦難の時期を乗り越えて今尚生産され続けるロータリーエンジンですが、最近ではロータリーエンジンを発明したNSUを祖先に持つAudiがA1のe‐tronのレンジエクステンド用に搭載するなど、新たな用途でロータリーエンジンのメリットが注目されています。

ではそもそもロータリーエンジンの特徴はと言うと・・・

〇ローター1回転に1度燃焼する構造上、同排気量のレシプロ比で出力が2倍
〇エンジンの回転上昇が早く滑らか
〇部品点数が少なく小型で軽量
×ローター回転時の偏心量が小さくストロークが稼げない為、トルクが細い
×バルブが無い為、特に低回転域で吸排気効率が低く、燃焼効率(燃費)が悪い

この×項目がロータリーの長年の課題となっている訳ですが、次期RX-9ではモーターを組合せてHV化する事でその弱点解消を狙っているようなのです。HV化に際して既にトヨタと技術提携済みで更にはAudiともレンジエクステンド技術?での提携が噂されるなど、ロータリーエンジン開発に関わるエンジニアがその技術をこれからも何とか後世に繋ごうと、今後一層厳しくなる燃費競争の時代に立ち向かっている姿は応援せずにはいられません。

こちらも併せてお読み下さい。 https://clicccar.com/2011/05/29/27795

(Avanti Yasunori )

【画像がすべて見られない方は>>>   https://clicccar.com/43533

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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