9年前にすでに実用?EV用自動販売機型充電器の開発者に聞く

自動販売機型EV充電器
自動販売機型EV充電器

EVの充電に自動販売機を活用して課金をしようという試みは数多く発表されていますが、EVチョロQや日産ハイパーミニの時代である2002年に、このアイデアはすでに実用新案取得済みで実用化されていました。

開発したのは東京都品川区にあった協栄電設株式会社。
開発者の一人にお話を伺うと
「コイン駐車場に必ず置いてある飲料用自販機に100Vや200Vのコンセントをつければ課金のできるEV用充電器が出来るのではないか」ということで開発されたそうです。

具体的には、EVの充電ケーブルを自販機のコンセントに挿し込み、お金を入れて充電ボタンを押すと充電が出来る上にに飲み物も出て来る。実はこのシステムの肝は飲み物が一緒に出てくるところです。飲み物が出て来ることに「付随」したサービスとして充電をすることにより電気事業法の電気の再販売禁止をクリアしているのです。

「2002年、2003年には東京オートサロンに出展し貸し出した企業の方と一緒にコンセプトカー賞優秀賞をいただいております。2002年のEVチョロQの発表会や、同年のエコプロダクト展の東京電力ブースなどに貸し出して接続のデモなども行っていました。また、弊社があったビルの1階に設置し実用化としてのデータも取っていました」と開発者の方がお話くださったように、すでに試作機は実用として稼動していたようです。

課金部と充電部を自動販売機に組み込む一体型も、課金部は自販機、充電部は外部という分離型も、同じ実用新案の範囲で利用できるとのこと。その上、この実用新案はすでに期限切れ。つまり誰でもこの実用新案の内容を使って自動販売機型充電器を作ることが出来ます。

自動販売機に備えられた充電用電気販売装置
自動販売機に備えられた充電用電気販売装置

公開されている特許情報を見てみると、この自動販売機型充電器の内部回路はいたってシンプル。知識と経験と自動販売機があれば誰でも作れそうな内容です。

「特許関係はすでに期限切れなので誰でも製作することは可能ですが、とりあえず製作を希望される方はご一報いただければ幸いです」とは開発者の方の弁。開発した協栄電設という会社は現存しませんが、EV用自動販売機型充電器を作ってみたい企業や個人の方、clicccar編集部にご連絡いただければ、私こと北森が責任を持ってメッセージを開発者の方に届けます。

自動販売機に備えられた充電用電気販売装置 公開特許情報(j.tokyoj.com掲載)
http://j.tokkyoj.com/data/G07F/3086272.shtml

2002年当時、実は電気自動車はかなり盛り上がっていて、いろいろな新技術が飛び出してきた時代でもありました。その頃の技術は今のEVインフラや車両そのものにも活用できるものばかり。過去のものとはいえ、決して「終わコン」でも「ロストテクノロジー」でもありません。出てきた時代がちょっと早かっただけのこと、なのです。

(北森涼介)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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