韓国のカーメーカーといえば Hyundai と1998年に 同傘下に入った KIA 。
Hyundai の車種バリエーションとしては 三菱自動車と共同開発した大型セダンのエクウス、韓国内の中型タクシーに多く見られるジェネシス、ソナタやグレンジャー、一番人気のアバンテ(アクセント・エラントラ)、小型系では i 20 などがずらりとラインナップされています。
一方の KIA にはミドルセダンのオプティマや今年のジュネーブ・モーターショーに登場した小型車、ピカントなどが存在。
ピカント近年になって性能・品質面で著しい向上が見られるようで、米モータートレンド誌がこのほど発表した「準中型車比較評価」で、「アバンテ」が準中型級8車種で 1位を占めたようです。
この評価は米国内ベストセラー準中型車8車種の価値、燃費、性能、スタイリング、走行安定性、走行の楽しさの6項目に対し行われる物で、「アバンテ」がトヨタ「カローラ」、ホンダ「シビック」、フォード「フォーカス」など代表的なベストセラー車を抜いてトップに。 更には IIHS(高速道路安全保険協会) も26日に「アバンテ」を「2011年最高安全車両」に選定したそうな。
販売面も好調で特に米市場では4月の販売台数が傘下の KIA を合せ、月間10万台を初めて突破。 1~4月の米市場での販売累計は 35.7万台。 4月は 10.8万台と尻上がりに増えており、日産の7万台を大きく離し、ビッグスリーのクライスラー(11万台)に迫った模様。
米市場でのシェアは 9.4%を占め、同社念願の 10%台へあと一歩となっているようです。 因みに両社の4月の米市場での伸長率は、皮肉な事に日本が震災の影響で振るわなかったのを尻目に Hyundai が 57%、KIA 40%と群を抜く結果となった模様。
今や Hyundai は傘下の KIAと共に米国で自ブランドのポジションを固めつつあるようです。
この勢いは中国市場でも同様で、1~3月の中国市場の販売実績は、両社合計で約28万台で、前年同月比 12.7 %増。これは中国市場の自動車販売伸長率 6.3%の 2倍の伸び。(驚)
この好調な販売の要因には性能・品質と共にもう一つ大きな要素が有りそうです。 そう、それは両社のデザイン力。 ヒュンダイは世界各地にデザイン・オフィスを持ち、デザイナーの出身国も多様で、それぞれ重要なポジションで活躍しているそうです。
http://worldwide.hyundai.com/hyundai-experience/design/design.html
一方、KIA のデザイナーは元々Audi や VW でチーフデザイナーだったピーター・シュライアー氏が全体を仕切るといった具合。 要はハナから自国デザイナーに拘っていません。
http://worldwide.hyundai.com/hyundai-experience/design/design.html
恐らく、それが画像のような各種モデルを生み出せる大きな原動力になっている事は容易に想像がつきます。 日本の場合、カーデザインは Made in Japan に拘る傾向が強いようですが、実はこれが日本車をガラパゴス化させている大きな要因になっているのかもしれません。