JEVRA(日本電気自動車レース協会)が主催する「2011 ALL JAPAN EV-GP SERIES」の第一戦「2011 全日本 岡山EV50kmレース大会」がスタートしました。
このEVレースがスタートした昨シーズンから、このレースに並々ならぬ力を入れているのが、レースの世界では知らない人がいないチーム・タイサンの千葉泰常監督です。国内のGTレースへの参戦はもちろん、近年ではクラシックカーレースにも積極的に参加するなど、根っからのレース好きで知られるあの千葉さんです。
実は千葉さんは昨年の開幕戦から自身所有のテスラ・ロードスターを持ち込むだけでなく、昨シーズンの第2戦からは自らステアリングを握り、自作EVである「#0 TAISAN PORSCHE 916EV」でレースに参戦しています。
もちろん今回もその0号車を走らせるだけでなく、実は今回の11台のエントリー中、8台がタイサンのエントリー。ドライバーも、チーム・タイサンに関係するドライバーで、中には、同日開催となるSUPER GTでタイサンのマシンに乗る山路慎一選手や松田秀士選手も、EVレースに参加します。
そこで千葉さんにこの入れ込みぶりを伺うと、
「もう4年くらい前にこのEVを作ってね。実はクラシックカーのラリーなんかをやっているとね、2個イチとか3個イチとかでボディがあまっちゃう。それはもったいないってことで、916EVを作ったわけ。この76年のワーゲンポルシェは、若いころの憧れだったし、前後バランスもいいし、100万円かけて電気自動車作るとどんなものなのか、ということで作ってみたのですよ。
そしたら全然ダメでね、もっといい電池を積めばいいんだけど、そうしたらすごい金額になっちゃう。だったらテスラを買ったほうがいいってことでテスラを購入しました。テスラなら回生量も多くて、エネルギー効率がいいですよ」
今後のEVレースについては?
「EVレースですが、これからはEVの時代が来ることは間違いないし、こういうレースをやることでいろんな方やメーカーからのお話もいただけます。
今回はせっかくスーパーGTの前座でレースをやるわけだから、グリッドに10台くらいは並ばないとカッコつかんでしょ。そういうことで、チームのみんなに声掛けて参加してもらっています。レースを見てもらうだけじゃなく、レースをする我々ももっと楽しみたい。それがチーム・タイサンのやり方ですから。
もっと多くの皆さんが賛同して、参加台数も増えて、レースがもっと楽しくなればいいと思っています」
と語ってくださいました。
先日、FIA(国際自動車連盟)の会長であるジャン・トッド氏が2013年にもEVの新しい国際レースを立ち上げたいと語っていましたが、どうやらEVレースはこれから注目のカテゴリーで間違いないようです。
(佐藤みきお)