その①では価格があがっている中古車の話をしましたが、ここでは新車ディーラーに触れたいと思います。
首都圏の新車ディーラーに聞いたところ、現在はタマ不足で販売できるのはその販売会社が持っているクルマだけだと言うことです。というのも、通常であれば他の販売会社と在庫車のやりとりができるそうですが、現在はお互いに拒否しあっていて無理だとか。
ですが、もし在庫車で欲しいものがあれば、チャンスです。
セールス氏によりますと「通常、下取り価格がつかないクルマってありますよね。不人気、過走行、年式などなど理由はいろいろあります。よく年度末のキャンペーンなどでどんなクルマでも10万円で下取ります! ってキャンペーンがあるじゃないですか、あれに該当するクルマです。当然普段であれば値段が付かないクルマです。ですが今週末、23万円で下取りしました。上からOKが出たのでビックリです。実際、買い換えるにはチャンスだと思います!」と語ってくれました。
通常でしたら値段が付かないようなクルマでも、下取りしてくれる可能性が高くなったわけですね。
そして値段が付く理由ですが、その①でも触れましたが中古車不足だそうです。前述のセールス氏も「例えばMTのスポーツセダンで、普段であればコレを下取れば30万で売れただろうに! っていうクルマを廃棄してきました。また、15年落ちで3万キロなんてクルマもありました。まだ乗れるクルマをスクラップにしてきたので、中古車部門でもタマ不足が続いていました」つまり中古車不足にこの需要が出たため、買い換えには好機というわけです。
これから作るクルマに関してはすでにほぼ全てのメーカーが完全ではないものの生産を再開しましたが、メーカーからの販売計画は販売店には伝わらず、納期については全くの未定ということです。
「3月に契約したクルマをこれから作るわけで、他(メーカー)も一緒だと思いますが今後の契約に関しての納期は7月あたりだと伝えています。計画停電が無くなって、低調ながら客足も戻ってきていて、なんとか日常に戻ってきた感じがします。皆さん理解してくれていますが、車検で買い換えという方は、3ヶ月前的な感じで動いてくれるとうれしいです」。とのこと。
そして総ての国内メーカーは同じ状況ですが、実は日産マーチは違うようです。マーチは生産がタイなので、現在の在庫は豊富だそうです。半導体がどうなるか解らないため今後の状況は不明ですが、4月5月ではいろいろ選べるとのことです。国内の空洞化などが叫ばれていましたが、もしかしたら輸入国産車が増える可能性もありますね。
ちなみに実際に下取りした車両は、需要があれば東北に送られるそうです。
クルマを買い換えると納税も含めて復興支援になるのは、どうやら本当のようです。
(佐藤みきお)