岡島裕二 
地震による津波でクルマが流される映像を見て、思わず自分の自動車保険の約款やパンフレットをチェックした人も多いでしょう。
私も自分の保険はどうなっているのか気になって確認してみました。すると、私が加入している自動車保険は地震や火山の噴火、またはそれによる津波の損害は保険の対象外となっていました。それは車両保険だけではなく、対人、対物、人身傷害など、大部分の項目がです。
他の保険会社のHPでチェックすると、ほとんどの保険会社が同様に地震や噴火、津波などの事故や損害では保険の対象外となっていました。つまり今回の震災で津波や地震の被害にあったクルマは、ほとんどが車両保険に入っていても保険金が支払われることはないのです。
加えて、自動車保険に付帯しているレッカー移動の無料サービスも、地震や津波が原因の事故では使うことができないと明記している保険会社もありました。
家にクルマを停めていて、地震により家が倒壊し、その家の下敷きになった場合も同様です。家に地震保険が掛けられたとしていても、自動車は家財に入らないケースが多いので保険金は支払われません。
大手の保険会社では自動車保険に地震特約が付けられるようになっていますが、保険会社でも地震特約を積極的にアピールしていることは少なく、この特約を付けている人は沿岸部に住む人でも非常に少なかったようです。しかも現在は今回の災害を受けて、ほとんどの会社で受付が中止されています。
でも、通常の自動車保険は台風や洪水による浸水や高潮では保険金が支払われることになっています。高潮で払ってくれるなら津波でも払ってほしいものですが、地震に起因するのもは地震保険ではないとカバーしないというのがスタンスのようです。
さらに原子力発電所の放射線照射・放射能汚染を原因とする損害にも車両保険は使えないとのこと。地震によるクルマの損害は、自動車保険で補償されるものは、ほとんどないということ覚悟しておかなくてはいけませんね。
(岡島裕二)
