Z33流用URASエルグランド用ワンオフエキマニ

エキマニという部品をご存知でしょうか。エキゾースト・マニフォールドの略です。

エンジン本体に直接取り付けられ、排気ガスをマフラーに導くためのパイプを集めてねじ曲げたようなパーツです。

排気ガスを抵抗少なく効率よく抜くのがエンジンによいとされ、そのためなるべく曲りが少なくスムーズであったり、各シリンダーからの長さが等しくしたかったりで、狭いエンジンルーム内をいかに通すかがポイントになります。

最短距離で安くしたい純正品は比較的素直なカタチですが、レース用パーツやチューニングアフターパーツは、別名「タコ足」と呼ばれるように生き物のように独特のカタチをしています。

ノーマルのエキマニを「タコ足」に交換すると、排気効率が上がってエンジンのレスポンスがよくなったり、同じ走り方をすれば燃費がよくなったり(気持ちいいのでアクセルを踏んじゃって悪くなるほうが多いようですが)、というのが期待されますが、多くのユーザーは排気音の変化が楽しみで交換している場合が最近は多いようです。軽量化となることも多いです。

で、福岡のショップ「ユーラス」に、Z33のエキマニの音に惚れて、自分のエルグランドも基本は同じエンジンだから同じ音になるだろう!と思って持ち込んだエキマニを、悪戦苦闘しながらやっと取り付けたというレポートが届きましたのでお届けします。

このエルグランドのエキマニはお客様の依頼で製作しました。

お客様がインパルのエキマニを着けたZ33の音に惚れて自分も着けたいと思ったのがきっかけだそうです。

お客様はエンジン型式(VQ35)が一緒なんで多少の加工で済むだろうと思いインパルのZ33用エキマニを購入されユーラスに持ち込まれました。

作業に取り掛かると小加工どころか全加工!!! エンジンルームの広さやマウントの位置など全然違い、使えるのはフランジのみ…

という事でワンオフ製作になりました。

左側は多少エンジンルームの余裕があり製作難易度もさほど無くすんなり造る事が出来ました。

問題は右側です。エンジンのすぐ横、4番と6番のポートの所約120mmにステアリングシャフトが通るのでエキマニの幅を100mm程度に抑えなければならずレイアウトに苦労しました。

製作費用は部品持ち込みのため約25万円です。完全ワンオフだと35万円位です。製作期間は約1週間でした。

アイドリングでは重低音ですがアクセルを踏むと乾いたレーシーなサウンド! エルグランドの音じゃないです。

お客様も大満足! 早く走りたいと納車を待ち侘びてます。

エンジン型式が同じでも、使えるのはフランジだけなんですね。自分のクルマのエキマニがラインアップされてなくても、ショップに相談してみるといいかもしれませんね。

(小林和久)

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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