すでに3月17日の発売が決定しているホンダの新型ワゴン「フィット・シャトル」。ハイブリッドが185万円から設定されることもあって(ガソリン車は165万円〜)、今一番の注目車種といえるでしょう。
さて、フィット・ワゴンとかフィット・ブレークとか様々な名称の噂があったこのフィット・シャトルですが、すでに販売の現場からは大きな期待が寄せられています。
と申しますのも、フィットをベースにしながらもヒットモデルとなれなかったエアウェイブの存在があるからです。エアウェイブはフィットをベースにしたワゴンで、ガラス面積の広いスカイルーフなどでフィットに続く人気モデルとなることが期待されていました。しかし認知度が上がらなかったことや、全高をフィットの1525mmに対して1505mmに抑えたため、運転席では上方の開放感がフィットほどではなく、後継車の投入を待たず2010年8月に販売を終了してしまいました。
これに対してフィット・シャトルはフィットの名が付いていることから、認知度の面で問題ナシ。フィットを見に来たお客様にも「フィットの荷物室が大きいほうですよ!」と話をしてもすぐに覚えてもらえます。往年のシャトルの復活もこうしたことが理由かもしれません。
また、クルマ好きからはどうでも良いことかも知れませんが、実は近年名前は一段と重要らしく、名前の知られていないクルマを買うよりも、有名なクルマを買うほうが世間体的にも有効らしいのです。
そして販売面でも期待できます。フィットの派生車としたことで、毎月発表される販売ランキングで1位も狙えるということです。「プリウスの方が売れているから」と商談で負けたことがあるセールス氏も、リベンジ! というわけですね。
昨年1年間の販売ランキングはトヨタ・プリウスが常にトップをマークしましたが、3月以降はプリウス対フィットの熾烈な争いとなりそうです。
そいえばそのプリウスは、プリウスvという新型ワゴンとプリウスcというコンパクトボディのコンセプトカーが北米で発表されています。またプリウスαという3列仕様の登場も噂されており、先日北米ではプリウス・ファミリーのことを(複数形)プリアイ(Prii)と呼ぶことも発表されました。プリウスも拡大の一途というわけですね。
いずれにせよ今年のプリウスとフィットの争いは、派生ボディも含めたファミリーでの対決となることは間違いないでしょう。
(佐藤みきお)