【2011F1GP】最悪のカタチで幕を開けなかったバーレーンGP中止の真相と影響

2011年シーズンは、過去最多となる年間20戦の開催を予定しているF1世界選手権シリーズが、いきなり躓いた。開幕戦(3月11〜13日)としてスケジュールされていたバーレーンGPが、現地の政情不安により、2月下旬という直前段階になって開催延期に追い込まれてしまったのだ。

バーレーンでのF1開催は2004年からで、欧州でのタバコ広告縮小の動きが強まるなか、中東〜アジア地域進出を従来以上に意識するようになったF1界が、早い段階から活路を求めた国のひとつであった。例年シーズン序盤のラウンドとして実施され、2006年と2010年には今季同様に開幕戦をホストした経験もある。既にレギュラー開催国の一角となっており、現地での人気面にクエスチョンマークが付くなどの懸念は常にあったものの、よもやの、それも最悪のかたちでの開幕戦開催中止となってしまった。

なお、現段階では今シーズン中の延期開催の可能性も残されているようで、その場合はシーズン終盤のアブダビGPとの連戦実施、あるいは最終戦として12月開催などの噂も聞こえてきているが、いずれにしてもバーレーンの政情安定化が先決だ。開幕戦としてのバーレーンGP中止決定を受けて、今季のF1は、本来は第2戦としてスケジュールされていたオーストラリアGP(3月25〜27日)が開幕戦となることに。また、やはりバーレーンで行なわれる予定だった開幕前最後の合同テストも、場所と日程の変更を強いられており、3月8〜11日にスペイン・バルセロナで代替開催されることが決まった。

各地で政情不安や天変地異が相次ぐ今年、F1は当初予定通りに20戦を開催することができるだろうか。チャンピオン争いや小林可夢偉の活躍同様、注目されるポイントだ。

<写真はすべて2010F1日本GP/Photo by T.Endo>

(えんとし)