軽自動車で連携した日産と三菱、そしてクライスラーへのさらなる増資を目論むフィアットなど、近年も自動車メーカーの提携話は常に話題を欠きません。そんな中、BMWとPSAプジョー・シトロエンが新たに合弁会社「BMWプジョー・シトロエン・エレクトリフォイケーション」を設立することが発表されました。
この会社、バッテリーや発電機、充電器などのハイブリッド部品の研究開発および生産を手がけるもので、出資比率は50%ずつ。しかもこの両社だけでなく欧州版オープンプラットフォームを目指してサプライヤーの統合を図るほか、他メーカーへの販売も視野に入れ、2014年の市販化を目指すそうです。
BMWはすでにメルセデス・ベンツと共同で開発したハイブリッドシステムを7シリーズなどに搭載していますが、今度はFF用と言うわけでしょう。BMWとPSAといえばすでに1.6L直4エンジンの共同開発で実績があり、MINIやプジョー、シトロエンの多くのモデルで採用されているほか、新エンジンの開発にも取りかかっているそうです。こうしたンジン面での成功も両社を近づけているのでしょう。フォルクスワーゲンとアウディという、両社にとっては共通のライバルがいることも関係しているかもしれません。
日本でも発売されているACTIVE HYBRID 7 パワーユニットのシステム出力は465ps/71.4kgmという、とてつもない性能を誇る。
しかしいずれにせよ欧州のメーカーも本腰を入れてハイブリッドの開発に取りかかったのは間違いなさそう。これまで欧州のハイブリッドはSUVや大型モデルが中心でしたが、今後はDセグメントCセグメントのモデルも登場するに違いありません。そしてこうしたハイブリッドカーが日本に導入されるのかは解りませんが、欧州では日本勢の手強いライバルになることでしょう。すでに三菱からi-MIVEの供給を受けているPSAですが、早くも次の手を打ってきた印象です。
次世代環境技術の開発は多くのお金がかかるといわれているだけに、今後はこうした分野ごとでの提携話はさらに増えていくのではないでしょうか。中国メーカーも海外展開に力を入れる昨今。自動車業界はさらなる再編の時期に来ているのかもしれません。
(佐藤みきお)