実は発表当初、自動車雑誌ではあまり評判のよいモデルではありませんでした。FFでラグジュアリーなクーペができるのか? ということがひとつと、致命的だったのはリトラクタブル・ヘッドライト前の樹脂製ガーニッシュ。
「妙な詰めもの」などとも言われ、未処理なデザインの印象がクーペの美しさに見合わないというものでした。
本来ここには平行移動して立ちあがるリトラクタブルヘッドライトが、シースルーののレンズカバーを通して半分見えているかたちを想定していたとのことですが、コストの関係で実現しなかったともいわれています。
ところが、実際販売してみるとその大人気ぶりは想像以上でしした。
しかし、何しろ廉価モデルのXCで136万円から、ハイエンドのXXでも171.8万円(東京地区・発表時)というう価格は、スペシャルティを身近なものにしたのです。
それでして、プレリュードのかもしだす雰囲気は、上質で当時のデートカーとして、大きく価格の異なるソアラやBMWをライバルにしていたのです。
人気は高まるとクルマの見え方も変わるもので、その後はフロントの悪口をいう人はいなくなりました。それどころか、その後のアコードが同じ手法を採用したり、ポルシェ928のようにライズアップするヘッドライトを持っていたセリカも、マイナーチェンジで同様の造形に作り変えてきたくらいです。
いくつか写真をあげておきましたので、ちょっと懐かしんでみてください。参考までに次期モデルの外観もいれておきました、どれかわかりますよね。
(MATSUNAGA, Hironobu)