東北関東大震災の影響でガソリンの供給が不安定になっているのに漬け込んでか、価格が上昇しているというウワサも流れています。実際には、そうしたことはないようですし、また円高が進んでいるという点においては価格上昇の要素も少ないわけですが、ガソリンの小売価格上昇はユーザーに取ってはプラスになる可能性があるのをご存知でしょうか。
現在のところガソリンにかけられている揮発油税(国税+地方税)は特例的に倍になっています。2008年に一時的に特例税率が廃止されて、急に25円程度安くなったことを覚えている方も少なくないでしょう。
その後、特例税率は復活しているわけですが、じつはある条件を満たすと、ふたたび本来の税率となるという風になっています。
平成22年4月に国税庁が発表した資料(pdfファイル)によれば以下の通り。
揮発油には、製造場から出荷される際に揮発油税及び地方揮発油税(以下「揮発油税等」といいま す。)の特例税率(53.8 円/l)が課税されていますが、揮発油の平均小売価格が連続3か月にわたり 160円/lを超えることとなった場合には、特例税率の適用が停止され、揮発油税等の本則税率(28.7 円/l)が適用されることとなります。
その後、揮発油の平均小売価格が連続3か月にわたり130円/lを下回ることとなった場合には、 特例税率の適用が再開されることとなります。
もちろん160円を超えるというのは、それぞれの小売店での価格ではなく財務省の発表によるのではありますが、なんらかの理由で全国平均価格が3ヶ月連続で160円を超えると、条件を満たすまでは揮発油税が本則税率になるというわけです。
これを覚えておけばガソリン価格上昇に悩むだけでなく、すこしは希望が持てるかも?
(山本晋也)