石油を作る“藻”が被災地を救う?【自由報道協会 田中康夫新党日本代表記者会見より】

新党日本代表 田中康夫衆議院議員
新党日本代表 田中康夫衆議院議員

衆議院予算委員会に出席した新党日本代表の田中康夫衆議院議員がその足で会場入りした記者会見に出席させていただきました。
元々作家であり、今はなき二玄社「NAVI」では不定期ながら連載も行い自動車にも造詣が深く、長野県知事時代には「脱記者クラブ」宣言、「脱ダム」宣言などを行い、2007年に参議院議員、2009年に衆議院議員となった田中氏は、エネルギーシフトを主張する代議士の一人でもあります。
そんな田中氏にエネルギーシフトは、法整備の面から考えて本当に可能なのかどうか、と言うことを質問してみました。(下記リンクのニコニコ動画の1時間2分あたりから。質問は本名で行っています。)
田中康夫新党日本代表記者会見​ 主催:自由報道協会
http://live.nicovideo.jp/watch/lv49656400?ref=top

その田中氏の回答の中にバイオマスに関するすごい内容が飛び出してきました。
オーランチオキトリウムという藻が大量な石油(正確には炭化水素)を作り出すと言うのです。それも1リットルあたり50円程度の実用レベルのコストで!

だいたいこういった話は眉唾的なものが多かったり、思い込みがかなりの部分を占めていたり、実用に途方もない時間がかかるものだったりということが多かったのですが、今回ばかりは本物のようです。

ウィキペディアのオーランチオキトリウムの項目を読むと「筑波大学の渡邉信教授らのグループが発見し、2010年12月4日に茨城県つくば市で開催された藻類の国際学会 “Asia Oceania Algae Innovation Summit” で報告した。」とあります。 
Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%AA%E3%82%AD%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A

ウィキペディアだけでは信憑性が薄いかもしれませんので元ネタになった新聞記事のWEB版、asahi.comのリンクも貼っておきます。
http://www.asahi.com/science/update/1214/TKY201012140212.html

このオーランチオキトリウム、何がすごいかというと2万ヘクタールの栽培用地でなんと日本の石油の年間消費量を賄えるということ。平たく言えば10km×20kmの面積で、これは東日本大震災で津波の被害にあって塩害などで作物の生産が出来なくなった農地と同じ面積になります。

田中氏の話とウィキペディアよれば、この藻は葉緑素を持たないので光合成しない。だからこの藻を生産する池の上はソーラーパネルで覆ってしまってもいいと言うこと。バイオマスと太陽光発電の複合プラントがかなり大規模に構成できると言うことです。

これらがきちんと整備され製品化できれば石油の輸入も減らすことが出来る。ということは地政学的な脅威から離脱することが出来やすいと言うことになります。

この話を聞いて、バイオマス燃料が一気に身近に感じられるようになりました。

 

(北森涼介)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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