●「TNGA」プラットフォームによる走りを手に入れた新型トヨタ・カローラ
新型トヨタ・カローラの1.8Lガソリン、1.8L+モーターのハイブリッドをごく短い距離でしたが、クローズドコースで走らせることができました。なお、ほかにも1.2Lガソリンターボも設定されていて、トランスミッションはハイブリッドが電気式無段変速機、ガソリンがCVT、ガソリンターボが6MTとなっています。
印象的だったのは、トヨタらしく静かな車内とフラットライドな乗り心地で、石畳のような路面でも乗り味は上質でした。旋回性能や動力性能を判断することはできませんでしたが、期待できる走りといえそうです。
セダン、ワゴンのツーリングともに「TNGA」化により新しいボディフレーム、シャーシを手に入れ、従来型のカローラ(アクシオ)と比べると、ねじり剛性は67%向上したとしています。
シャーシはジオメトリーと構成部品の刷新が盛り込まれていて、しなやかな足の動き、高いスタビリティを目指したとしています。さらに、コラムと支持剛性向上が図られた高剛性ステアリングシステムにより、正確なステアリング操作が可能になったとしています。
メカニズム面で注目なのは、新開発されたショックアブソーバー。2018年6月登場のカローラ・スポーツからすでに導入されていて、ベアリングブッシュの材質変更、ピストンバンドの材質変更、面圧分布改良、オイルの基材変更、添加剤変更などにより、揺れの収まりの良さ、ショックの少なさを追求したそうです。
また、ドライバーや乗員目線での走りも盛り込まれています。従来型から改善されたのは「目線の動かされにくさ」「旋回姿勢の決まりやすさ」「ライントレース性の向上」で、人が感じるヨー、ピッチ、ロールの回転運動に注目。
シミュレーションを使って、人が良いと感じる物理量を指標化し、サスペンション(コイルばね、スタビライザー、ダンパー)の最適化を実施したとしています。
(文/塚田勝弘 写真/長野達郎)