【SUZUKA 10HOUR】10時間レース予選のBBSエキサイティングアタックを制したのはHubAutoのフェラーリ

8月25日に行われたSUZUKA 10HOURの予選・BBS EXCITING ATTACK。8月26日に行われる決勝レースのグリッドを決める予選にBBS JAPANが冠スポンサーとなり予選を盛り上げます。

ポールポジション獲得で賞金100万円とBBS JAPANの鍛造ホイール1台分が贈呈されるとあって、参加選手の盛り上がりも違います。

その予選、BBS EXCITING ATTACKを制したのはHubAuto Corseの28号車フェラーリ488 GT3。Q1で3人全てのドライバーが安定したタイムを出し、Q2ではただ1台だけの2分1秒台! 賞金100万円とBBSホイールの副賞を獲得しました。

SUZUK 10HOURでは3人のドライバーが組んでレースを戦いますがドライバーの組み合わせによってクラスが決まるのです。3人ともプロドライバーであればPROクラス、1名以上のアマチュアドライバーが含まれるとPRO-AMクラス、全員がアマチュアドライバーであればAMクラスとなります。

ポールポジションのHubAuto Corseはアマチュアドライバーが1名参加するのでPRO-AMクラスとなりますが、PROクラスの強豪を抑えてのポールポジションは快挙といえるでしょう。またこのチームにはプロドライバーとして日本からSUPER GTではGAINERのGT-Rに乗る吉田広樹選手も参加。初開催のSUZUK 10HOURでは初ポールポジションとして日本人選手の名前も刻まれることとなります。

BBS EXCITING ATTACKの2位はMercedes AMG Team Gruppe M。3位はポールポジションチームのチームメイトであるHubAuto Corseの27号車のフェラーリ488 GT3。

3

また、日本チームの最高位はAudi Team HITOTSUYAMAのAUDI R8 LMS が9位となります。また続く10位も日本チームのGAINERのNISSAN GT-R NISMO GT3。

しかし、この予選順位もすんなり決まったわけではありません。Q1の予選順位に審議が入りQ2のスタート時間が1時間近く遅延することになります。そして本来20台で行われるはずであったQ2は24台が出走することとなり、また25位以下の順位も大きく変動します。その大きく変動した順位で泣く人、笑う人が多くいたことは想像に難くありません。

しかしこのBBS EXCITING ATTACKで一番悔しい思いをしたのはMercedes AMG Team GOODSMILEではないでしょうか。

Q2の終了3分前頃にアタックを開始したGOODSMILE。小林可夢偉選手は第2セクターまで全てのマシンよりも速いタイムをたたき出し、2分1秒を切るのではないかというほどの強烈なドライブを見せていました。そして130Rに差し掛かる直前に突然の赤旗!この赤旗を以って予選終了となってしまいます。つまりフィニッシュできなかったのです。

 

その赤旗の原因はModulo Drago CorseのNSX GT3がデグナーカーブでコースアウトしたことによるもの。サンドにつかまり一時的にマシンが止まってしまったために赤旗が提示されてしまったのです。

この時NSX GT3をドライブしていた小暮卓史選手はインタビューで「小林可夢偉選手に悪いことをしました」と真剣な面持ちで語っていました。

NSX GT3には大きなダメージはなく自走でピットに戻ることが出来ました。そんな状況をかえりみて、この赤旗提示には様々な方面で「黄旗で対応できたのではないか?」などの意見もあり賛否両論が飛び交っていますが、正式予選結果が出てしまっている以上はこの予選結果に従わざるを得ません。

しかし決勝レースは10時間の長丁場。予選結果どおりの順位でレースが終わることなどまずありえません。数々のドラマが生まれそうな予感の10時間に及ぶ過酷な戦い。決勝レースは午前10時スタート、フィニッシュは午後8時。フィニッシュ直前のナイトセッションもひと波乱起きそうな予感です。

(写真:松永和浩、高橋秀彰 文:松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
続きを見る
閉じる