触媒のスペシャリスト・キャタラーが「人とくるまのテクノロジー展2018」で展示していたのは、日野の小型トラック「デュトロ」に搭載済みのNOx浄化用触媒「HC-SCR」。尿素水が不要で、ディーゼルの課題であるNOx(窒素酸化物)の浄化性能を実現したディーゼル車用の触媒システムです。平成28年排出ガス規制をクリアしています。
尿素水を使わずに、排ガス中の未燃焼の炭化水素(HC)、燃料から分解生成したHCを還元剤としてNOxを無害化するもので、尿素水の補充が不要。尿素タンクをなくすことで、車両の省スペース化に貢献。
NOxを浄化するには還元剤が必要になりますが、「HC-SCR」は還元剤として燃料(軽油)を使用するため、尿素補充やタンクのスペースが不要。そのため、積載スペースが限られる中型~小型トラックに対して効果的なシステムになっています。なお、軽油を還元剤として使うため、若干燃費に影響があるそうですが、尿素水の補充とタンクが不要になる利点は見逃せません。
キャタラーのブースで話を伺うと、トラックだけでなく、乗用車への搭載も技術的には可能としていて、「人とくるまのテクノロジー展2018」では、欧州メーカーも含めて多くの関係者から注目を集めていたそうです。
(文/写真 塚田勝弘)