クルマを買う際、販売店に向かうよりも前にホームページやカタログで、車両価格や備わる機能そして燃費などの情報収集を行なう方は多いでしょう。
しかし、ここで違和感を覚えるはず。TVCMやカタログには『●●km/Lを達成!』と大きな文字が踊っているのですが、諸元表を見ると燃費の数値が仕様によって若干異なっています。
では、その中でも最も燃費が優れているクルマの特徴とは何でしょうか?それはズバリ、「装備を簡略化」することで車重を軽くして燃費を稼ぐことに尽きます。
一見すると客寄せパンダ的な存在で、多くの場合は機能や質感を考えて「多少燃費は落ちるけれど、ひとつ上のグレードで」と落ち着くのですが、日常生活をこなす分には十分な実力を備えており、そして燃費は最良と、決して侮れない仕様でもあります。
■トヨタ・アクア
デビュー以来、コンパクトなボディサイズによる扱いやすさと、プリウス譲りのハイブリッドシステム「THSⅡ」による低燃費で高い人気を誇る「アクア」。最安グレードの「L」は車両本体価格が176万1382円です。
燃費は、上級グレードよりも30kg軽量な車重により37.0km/Lを達成。「L」以外の場合、SRSサイドエアバッグのほか、ナビレディパッケージなどのオプションを装着すると車重が増え、その結果33.8km/Lとなります。
しかも「L」グレードも想像以上に装備が犠牲になっておらず、オートエアコンを完備するほか、オプションで衝突被害軽減ブレーキの「トヨタセーフティセンスC」(5万4000円)も装着可能です。
■ホンダ・フィット
燃料タンクを前席座面下に置く「センタータンクレイアウト」の採用によって、コンパクトカーの中でもダントツに広い室内空間を確保する「フィット」は、まさに一台で何役もこなせる万能選手であります。
パワートレーンはガソリンエンジンとハイブリッドの二本立てであり、ハイブリッドの最安グレード「HYBRID」の車両本体価格は169万円。ボンネットにはアルミを使用するほか、燃料タンクも小型化することで軽量化を行ない、燃費は36.4km/Lをマークします。
ただし、マニュアルエアコンや一体可倒式の後席など一部装備が簡略化されているほか、安全装備の「あんしんパッケージ」が選べない点がネック。しかし、それらを解消した特別仕様車「HYBRID Fパッケージ・コンフォートエディション」が182万60000円で販売中です。
■日産・ノートe-POWER
一般的にハイブリッドといえば、ガソリンエンジンが主役で、モーターが脇役のパワートレーンのこと。しかし、「ノートe-POWER」はガソリンエンジンは発電に専念し、その電力を使ってモーターを動かすというユニークなシステムを採用。
モーターの瞬発力の良さを活かした爽快な走りのほか、ガソリンモデルと同等の室内空間を確保するなど、使い勝手の良さも見事であり、登場からまもなく「アクア」を首位の座から引きずり落としたことも話題となりました。
その最安グレードである「e-POWER S」の車両本体価格は177万2280円で、燃費は37.2km/Lを誇ります。
ただし、まさかのエアコンがオプション扱い(12万9600円)。また、安全装備のインテリジェントエマージェンシーブレーキが未搭載という点にはご注意。
(今 総一郎)