7月11日、日本におけるプジョーのフラッグシップとなるプジョー508の発売が開始されます。
プジョー508は、90年代初頭に生産終了となった505以来となる、久しぶりの50×番シリーズのアッパーミドルセダンです。本来的に言えば、このクルマは407の後継となるのですが、中国や南米向けに308ベースの408というモデルがすでに存在しています。そうした事情もあって508という名称になったのでしょう。
そんなプジョー508の特徴を紹介したいと思います。
特徴その1 新しいデザイン。
昨年、プジョーはコンセプトカー「SR1」で、未来に向けたプジョーの新しいデザインの方向性を示しました。削り出したような塊感、ロングノーズによる疾走感、小さく浮いたように見える「フローティンググリル」などが、その新しいデザインの特徴です。そうしたデザインを最初に取り入れた量産車がプジョー508というわけです。
特徴その2 エンジンは1.6リッターターボ。
プジョー407では3リッターV6や2.2リッター直列4気筒エンジンを搭載していましたが、プジョー508はアッパーミドルセダンでありながらエンジンを1.6リッターターボとしました。パワーは115kW(156ps)・240Nm。燃費は10・15モードで11.0km/l(SWは10.8km/l)。ミッションはアイシン製の6速AT。ちなみにフロント・サスペンションは、プジョー407のダブルウィッシュボーンからストラットに変更。エンジンとサスペンション変更で、フロントまわりは大幅に軽くなっています。また、フロントオーバーハングもプジョー407比で55mm短く。この変更は走りに大きな影響を与えるはずです。
特徴その3 室内は広々!
プジョー508のサイズはプジョー407対比で、全長は+105mm、ホイールベースを+90mm拡大。特に後席が広くなっており、また、トランク容量もセダンで515リットル(SWは560リットル)もあり、プジョー407よりも100リットル以上大きくなっています。
特徴その4 中国でも生産する。
プジョー508は、欧州だけでなく、中国でも生産されることが決まっています。プジョー508の世界販売目標は2012年で20万台/年ですが、そのうち中国で6万5000台も売りたいと言います。その実現のため「プジョー508は初めてヨーロッパと中国で同時に開発を進めてきた」とプジョーは言います。つまりプジョー508は中国マーケットを視野に入れた、プジョーにとって非常に重要なモデルとなるのです。
特徴その5 フラグシップらしい高い品質と充実した装備。
プジョー508は、プジョーとしてのフラッグシップですから、当然のようにインテリアの質感を高めたと言います。運転席/助手席/左右の後部座席の4ゾーンをそれぞれ独立して調整できるエアコン、カラーヘッドアップディスプレイなどを採用しています。
そんなプジョー508の特徴をまとめれば、新しいデザインで室内が広くなり、インテリアは高級感をアップ。パワートレインは最新トレンドのダウンサイジングまっしぐら! というもの。まさに良いことづくめですね。
しかも価格は、セダンで374万円から(SWは394万円~)と、ドイツのプレミアムブランドと比べれば、なかなかのお手頃価格。2010年は前年比+38%という過去10年で最高の販売実績を記録したプジョージャポン。勢いのあるところですからプジョー508の売れ行きには注目ですね。
プジョーの公式サイトはこちらです→http://www.peugeot.co.jp/
<鈴木ケンイチ>