スバル「XVハイブリッド」の“カタログ燃費20.0km/L”と“実燃費”の差は!?

XVハイブリッドのプロトタイプ試乗会場で、開発陣から聞こえてくるのはもっぱらトルク感のある走りやスバルが誇るシンメトリカルAWDの安定感などで、燃費に関しては大声でアピールしていない印象を受けました。しかも既報のとおり、スバルらしい走りを追求して重量の嵩むAWDにこだわったわけですからなおさらです。

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それでもガソリン車の15.8km/Lと比較すると、約30%アップの20.0km/Lという目標値に到達しているのですから立派。

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燃費向上には、ガソリンやタイヤなどの各部門に目標値が掲げられ、一般的に燃費改善の余地が高いといわれているエンジンでは、ピストンリングを変更してフリクションを低減。さらに、圧縮比を10.5から10.8に高め、空冷式の大容量クールドEGRを採用するなどの対策が打たれています。

タイヤはハイブリッド専用開発となるヨコハマ「ブルーアース」を装着しています。

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あとは、実燃費とJC08モード燃費(カタログ燃費)との差がどれくらいになるかでしょう。

ハイブリッド化にともない燃費は30%向上したわけですが、JC08モード燃費と実燃費の差は条件やメーカー、車種によってバラツキがありますが、実燃費はJC08モード燃費の70%はなんとかクリアしたいところ。

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そうなると、XVハイブリッドの実燃費は14.0km/Lが合格ラインになります。ガソリン仕様は先述したようにJC08モード燃費15.8km/Lですから、実燃費は約11km/Lが目安。XVハイブリッドの実用燃費14.0km/Lは、条件によってもちろん異なりますが、かなり現実的なラインかもしれません。

しかも、心強いのがハイブリッド専用「EyeSight」の存在で、「ECO-C」による追従走行やクルーズコントロールの加減速制御、アイドリングストップやEV走行頻度のアップ、エアコンの作動抑制などで実用燃費は最大10%程度アップ効果が期待できるそうですから、安全面だけでなく実燃費を重視するならやはりアイサイト装着車がベストチョイスといえそうです。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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