新型BMW5シリーズ「ツーリング」は、BEV2タイプと48Vマイルドハイブリッド化された2.0Lディーゼルターボを設定

■BEVの一充電あたりの航続距離は445km~、最長で560km

BMW・5シリーズは、セダンから2023年5月に導入記念モデルを発表した後、同年7月に7年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型モデル(カタログモデル)を日本で披露しました。

新型BMW5シリーズツーリングのフロントマスク
新型BMW5シリーズツーリングのフロントマスク

2024年2月7日に発表、発売されたステーションワゴンの新型5シリーズツーリングは、ステーションワゴンとして日本で初めて、バッテリーEV(BEV)のBMW i5ツーリング(量販モデル)、「Mパフォーマンス・モデル」の2モデルを同時に設定しています。

新型BMW5シリーズツーリングのリヤまわり
新型BMW5シリーズツーリングのリヤまわり

さらに、5シリーズツーリングで初の48Vマイルドハイブリッドシステムがディーゼルエンジン搭載モデルに採用されたのもトピックス。BEVに加えて、航続距離の長いディーゼルエンジンに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせることで、商品力が大幅に向上されています。

4輪駆動モデルの「Mパフォーマンス・モデル」である「BMW i5 Touring M60 xDrive」には、最高出力261PS(192kW)を発揮するモーターが前輪に、最高出力340PS(250kW)を発揮するモーターが後輪に配置されます。

バッテリーEVを2タイプ設定する
バッテリーEVを2タイプ設定する

システムトータルでの最高出力は601PS(442kW)・最大トルクは795Nmに達し、「Mスポーツ・ブースト」または「Mローンチ・コントロール」機能が作動すると0-100km/h加速は3.9秒で到達。ボディ床下に収納されているリチウムイオン電池の総エネルギー量は83.9kWhであり、一充電での走行可能距離は445km〜506kmです。

「BMW i5 Touring eDrive40」は、最高出力340PS(250kW)を発揮するモーターが後輪を駆動する、BMW伝統の後輪駆動モデル。最高出力340PS/250kW、最大トルク400Nmというスペックで、スポーツ・ブーストまたはローンチ・コントロール機能が作動すると、0-100km/h加速は6.1秒でクリアします。ボディ床下に収納されているリチウムイオン電池の総エネルギー量は83.9kWhであり、一充電あたりの走行可能距離は483km〜560kmとなっています。

伸びやかでワイド&ローでもあるスタイリング
伸びやかでワイド&ローでもあるスタイリング

ステーションワゴンで人気のディーゼルエンジン車である「BMW 523d Touring xDrive」には、新世代モジュール式で、高効率を誇る2.0L直列4気筒BMWツインパワーターボ・ディーゼルエンジンを搭載。ピストンの軽量化などの改善に加え、低速側を可変ウイングとしたシーケンシャルツインターボの電子制御精度を向上。

さらに、先述したように、48Vマイルドハイブリッドシステムとの組み合わせにより、システムトータルの最高出力は197PS(145kW)、システムトータルの最大トルクは400Nmを発揮します。

●荷室容量は570L〜1700L

新型BMW5シリーズツーリングのラゲッジ
新型BMW5シリーズツーリングのラゲッジ

また、ステーションワゴンで重要な積載性をチェックすると、荷室容量は、セダンの通常時490〜520Lに対して570Lまで増えています。さらに、後席背もたれを前倒しすれば、最大で1700Lまで拡大。

新型BMW5シリーズツーリングのラゲッジ。容量は570L〜1700L
新型BMW5シリーズツーリングのラゲッジ。容量は570L〜1700L

BMWお馴染みの「40対20対40分割可倒式」はもちろん、小物が収まる床下収納などのほか、前席乗員の安全が確保されるラゲッジパーティションネットも標準装備されています。

エクステリアデザインは、セダンと同様、新しいデザイン言語のもと、BMWらしくスポーティなだけでなく、上質な雰囲気を漂わせています。現代的な解釈でデザインされたツインヘッドライトとBMW伝統のキドニーグリルを垂直方向に拡大。

新型BMW5シリーズツーリングのフロントマスク
新型BMW5シリーズツーリングのフロントマスク

やや前方に突き出たシャークノーズ&ロングボンネットも特徴的です。ほぼ垂直に配置されたLEDは、デイライトライニング、ウインカーとして機能します。キドニーグリルには、夜間走行時にBMWブランドの象徴である造形を印象的にライトアップするBMWアイコニックグローが備わります。

サイドビューは、高いショルダーラインをはじめ、金属を削り出したような塊感のあるドアパネル、フェンダーが力強さを印象づけています。さらに、正確にトレースされた2本のキャラクターラインが高級感を演出。

新型BMW5シリーズツーリングのサイドビュー
新型BMW5シリーズツーリングのサイドビュー

さらに、Dピラーを大胆にスラントさせ、スタイリッシュ感も強調されるのと同時に、サイドウインドウ下部を大胆にキックアップし、リヤフェンダーの力感を強調することで躍動感も表現。ツーリングであってもBMWらしいスポーティでエレガントなムードを放っています。

後ろ姿は、リヤガラスをより立体的な造形とし、Dピラーから続くスタイリッシュな印象を強化。低い位置に配置されたツーリング専用デザインのリヤコンビネーションライトは、ワイドなスタンスでスポーティ感を醸し出しています。

●インパネにワイドな2画面を配置した「BMWカーブド・ディスプレイ」

新型BMW5シリーズツーリングのインパネ
新型BMW5シリーズツーリングのインパネ

インパネで目を惹くBMWカーブド・ディスプレイは、最新の12.3インチのインフォメーションディスプレイと14.9インチのコントロールディスプレイからなります。インパネ中央からドアトリムを立体的なクリスタル面が貫く「BMWインタラクションバー」が標準化され、ドライバーの好みの走行モードに応じてキャビンを演出。

新設計されたステアリングホイールは、フラットボトムになり、ステアリングまわりの空間が広がっています。コントロールパネルとセンターコンソールのセレクターレバーには、操作時のフィードバックが追加されています。

新型BMW5シリーズツーリングのフロントシート
新型BMW5シリーズツーリングのフロントシート

また、シート、ダッシュボード、ドアパネルの表面に加え、ステアリングホイールも環境に配慮されています。植物を主原料とした持続可能な素材で、上質なレザーと同等の柔らかさと風合い、耐久性を実現したというビーガンインテリア仕様が一部モデルに標準装備されています。

そのほか、シャーシ制御技術も進化していて、センシングと同時に最短時間で直接制御されるホイールスリップテクノロジー、統合ブレーキシステム、可変ステアリングレシオを備えたスポーツステアリングを全車に標準装備。

4輪操舵を可能とする「インテグレーテッドアクティブステアリング」と電子制御式ショックアブソーバーを備えた「アダプティブ・サスペンション」が「BMW i5 Touring」に標準、「BMW 523d Touring xDrive」にオプション設定されます。

新型BMW5シリーズツーリングのリヤシート
新型BMW5シリーズツーリングのリヤシート

「Mパフォーマンス・モデル」である「BMW i5 M60 xDrive」には、アクティブロールコントロール機能を備えた電子制御スタビライザーを含む「アダプティブMサスペンション・プロフェッショナル」を標準装備。ダイナミックな走りと快適な乗り心地を高次元で両立し、BEVの特性が最大限活かされた新時代の「駆けぬける歓び」を実現したとしています。

そのほか、ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能をはじめとした先進安全装備、ドライバーサポート機能が用意され、車両全方向に対応する「BMWドライブ・レコーダー」、車両の異常をスマホに知らせる「アラーム・システム」、最新の「BMW iDrive」と「BMWオペレーティング・システム8.5」、音声対話型のコネクティビティや「BMW Intelligent Personal Assistant」「BMWコネクテッド・ドライブ」などが用意されています。

新型BMW5シリーズツーリングのリヤコンビランプ
新型BMW5シリーズツーリングのリヤコンビランプ

●ボディサイズ:全長5060×全幅1900×全高1515mm(BMW 523d Touring xDrive)

●価格
クリーンディーゼルエンジン搭載モデル(48Vマイルドハイブリッドシステム搭載)
「BMW 523d Touring xDrive Exclusive」:890万円
「BMW 523d Touring xDrive M Sport」:960万円

バッテリーEVモデル
「BMW i5 Touring eDrive40 Excellence」:1040万円
「BMW i5 Touring eDrive40 M Sport」:1040万円
「BMW i5 Touring M60 xDrive」:1600万円

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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