塚田勝弘 
■トヨタ・ハイラックスの速さと信頼性、耐久性の高さを証明
2024年1月5日から1月9日まで、サウジアラビアを舞台に全12ステージで争われてきた「ダカールラリー2024」。TOYOTA GAZOO Racing（TGR）は、今年の新規定に合わせて改良された「GRダカールハイラックスEVO T1U」の5台体制、そして、大幅に入れ替えたドライバーラインナップで挑みました。3連覇こそ叶わなかったものの、3台がトップ10に入っています。
15日間、総走行距離約8,000kmに達する過酷なTGR勢は、今大会初のダカール挑戦となったガイ・ボッテリルと、チーム4年目のブレット・カミングスのコンビが最上位の6位でフィニッシュしています。
2009年のダカールラリーで総合優勝を果たし、これまで20回のダカール参戦経歴を持つジニエル・ド・ヴィリエールとデニス・マーフィ組は7位でフィニッシュ。ド・ヴィリエールの持つダカールでのトップ10フィニッシュ記録は、20回に達したことになります。
ステージ3でチームにステージ優勝をもたらしたルーカス・モラエス／アルマンド・モンレオン組は、ステージ10まで総合3位、残り2日となったステージ11では一時総合2位まで浮上。しかし、その直後にアクシデントに見舞われ、残念ながら後退しました。最終結果では9位に入り、TGR勢は3台がトップ10に入っています。
18歳とダカール史上最年少でのワークスドライバーの1人となったサオード・ヴァリアワは、フランソワ・カザレと組み、初のダカールで序盤は苦しんだものの、見事16位でフィニッシュ。
ダカールでの経験も豊富な21歳の期待のセス・キンテロは、2024年からTGRに加わり、トップカテゴリーで参戦。デニス・センツと組み速さを見せたものの,、前半戦のアクシデントで上位争いから脱落。その後はシリーズ参戦する世界ラリーレイド選手権（W2RC）ポイントとチームメイトのアシストのために走行を続け、完走しています。
例年に増して激しく、厳しいコース設定で多くの競技者を苦しめたダカールラリー2024ですが、プライベーターとしてトヨタ・ハイラックスで出場したギョーム・ド・メビウス／ザビエ・パンセリ組（OVERDRIVE RACING）が2位に入るなど、トヨタ・ハイラックスはTGRの3台を含めトップ10中6台を占め、速さと信頼性、耐久性の高さを証明したことになります。
また、トヨタ車体のラリーチーム、チームランドクルーザー・トヨタオートボデー（TLC）から市販車部門に参戦した「ランドクルーザー300 GR SPORT」は、ドライバーの三浦昂／マイヨール・バルベ組が市販車部門でクラス首位を達成しています。チームメイトのロナルド・バソ／ジャン・ミッシェル・ポラト組もクラス2位でフィニッシュ。TLCは、市販車部門で11連覇を成し遂げています。
「日野チームスガワラ」から「HINO600」シリーズでトラック部門に参戦した菅原照仁／染宮弘和／望月裕司組は、排気量で上回るライバル勢との激戦を戦い抜き、トラック部門総合6位で見事完走を果たしました。
モリゾウ（豊田章男会長）は「車好きが集まる新年のお祭りは、東京オートサロンだけではありません。もっと伝統があって、もっと壮大で、とことんストイックな車好きのお祭りが、毎年、年初に開かれています。ダカールラリーです。ダカールラリーがゴールして、やっと本当の新年を迎えた皆さま、あけましておめでとうございます。全長8000km、15日間のドライブ本当にお疲れさまでした」とコメントしています。
（塚田 勝弘）
