このタイヤの正式名称は「LE MANS LM704」である。社内呼称ではル・マン4になっているようで、今回の説明会の資料でもル・マン4となっていたが、少なくともタイヤのサイドウォールに書かれているのは正式名称のみだ。ル・マン700シリーズの4代目という意味でこう呼んでいるのだろう。
ル・マンという名称のタイヤの歴史は古く、初代は1982年のル・マン24である。そしてこれが14代目のル・マンということで昨年の春にデビューしたが、まだプレス試乗会を開催してなかったので、今回お披露目したわけだ。
走行性能+快適性能+静粛性という3段階の進化を遂げてきたル・マンだが、今回はさらに低燃費性能を加えて登場した。2006年に登場したLM703と比較すると、騒音性能13%低減、ウェットブレーキ9%向上、燃費3.8%向上、ライフ17%向上しているという。
ル・マンLM704にはダンロップが得意とする特殊吸音スポンジがタイヤの内側に張られている。これは道路の段差などを乗り越したときのタイヤ内部の圧力変動を抑制する働きをするそうだ。トレッドパターンを新設計した効果に加え、スポンジで空洞共鳴音を徹底的に低減することで、静かなタイヤが実現したという。ちなみにトレッドパターンは偏摩耗を抑制し、摩耗末期になってもショルダーの横方向のスリットが残るデザインになっている。
新開発のトレッドコンパウンド(接地するゴム)は低燃費とウェットグリップという二律背反の性能のものを、高い次元で両立させたという。低発熱密着ゴムは路面の細かい凹凸にも密着するからウェットグリップも良いのだ。
歴史のあるル・マンというブランドは、その名前に恥じない進化を遂げているようだ。
(菰田 潔)
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