スバルBRZがこのような形で公表された東京モーターショー以前では、様々な自動車雑誌で「BRZは86と差別化するために4WDターボを追加する」なんて記事が踊っていたことをご記憶の方もいらっしゃると思います。
2月7日、ツインリンクもてぎでスバルBRZのプレス向け試乗会が開催された折に、シャシー開発者の方にお話しを伺う際に4WD問題の話しが出ましたので、突っ込んで聞いてみると・・・。
展示用シャーシを見ながら説明していただきました。結論から言うと「4WDは無理!」
上の写真を見ていただければわかりますが、トランスミッションの位置が低すぎてフロントデフへのトルクを取り出せない。そして前輪車軸のすぐ横には水平対向エンジンのヘッドが来ています。つまりドライブシャフトを通す場所が無い。
この写真だともっとわかりやすいかもしれません。エンジンの搭載位置を下げて、なおかつ後方にずらしたことによりステアリングロッドの場所さえもなくなってしまったのでフロントサスのロアアームとステアリングロッドを前後にひっくり返して搭載しなければならないほどのギリギリ設計。フロントデフからのドライブシャフトを取り回す余裕なんて皆無です。
小型で軽量、大出力なモーターでもあれば、インホイールで電動4WDにすることは可能性としては存在しても、既存のクルマのバネ下重量に影響を与えないようなモーターは存在しないので、これもまた無理、とはシャーシ開発者の方の弁。
ということで、4WDを期待していた方には酷なお話しでした。
4WDをご所望の方にはインプレッサがありますから。
(北森涼介)