■トヨタの販売店、レンタカー店で発売開始。洗浄可能な構造を採用
コロナ禍で自動車メーカーは、軽症者向けの飛沫循環抑制車両などを製作し、自治体などに提供しています。
トヨタも「もっといいクルマづくり」を支える製造現場のモノづくりの力やTPS(トヨタ生産方式)を活かし、マスクやフェイスシールドの生産、医療用防護ガウンの生産性向上支援、足踏み式消毒スタンド「しょうどく大使」の市販化などを推進。また、飛沫循環抑制車両の提供にもいち早く取り組んできました。
2021年3月1日、同社はハイエース向けの「飛沫感染対策セパレータ」を販売店装着の純正用品として発売しました。ハイエースは送迎車両としてもニーズが高く、「飛沫感染対策セパレータ」も多様な業種から引き合いがありそうです。
「飛沫感染対策セパレータ」は、トヨタの販売店とレンタカー店を通じて販売されます。同アイテムは、ハイエースのワゴン、コミューターに加えて、メーカー完成特装車(ウェルキャブ、TECS)のフロントシートとリヤシートの間に装着できます。同社では、病院や福祉施設、観光での送迎など、乗客や運転手の飛沫感染リスクを低減し、安心して乗車できるのが狙いとしています。
なお、「飛沫感染対策セパレータ」は、完全に飛沫を遮断するものではなく、換気のため外気設定や窓を開けるなどの策も必要です。今回、市販化された「飛沫感染対策セパレータ」は、飛沫循環抑制車両提供の活動を知った多くの顧客からトヨタ車両販売店を通じて届けられた「送迎で使用するハイエースにも装着可能なセパレータがすぐ欲しい」という声に応え、いち早く商品化されたもの。ユーザーに届けるため、トヨタ純正用品として設定されています。
開発にあたっては、ハイエースのバンに設定されている「ルームセパレータカーテン」をベースとした試作品を医療や福祉の現場に持ち込んだそう。現場で使い勝手などのニーズを聞き取り、徹底した「カイゼン」を重ねたとしています。洗浄などを考慮して脱着可能になっていて、車内の状況を把握しやすいように透明なビニール素材を全面に採用。
また、前後席のどちらからでもファスナーにてセパレータを開閉可能とするなど、誰でも使いやすく、価格面などでも求めやすい純正用品として設定されています。
「飛沫感染対策セパレータ」の価格は、2万7500円(税込)。なお、車両装備、装着品により追加費用が必要となる場合があるほか、取付費などの諸費用は含まれていません。
(塚田勝弘)