■全長が長くなり、荷室の奥行きが100mm拡大
4代目にスイッチしたスズキ・ソリオは、同社のコンパクトカーで最も売れているモデル。「ハーテクト」と呼ぶプラットフォームは先代と同じで、マイルドハイブリッド、NAガソリンエンジン車を設定し、先代にあったハイブリッドは用意されていません。
ハイブリッドに関しては、先代モデルでの販売実績を鑑みて見送られたようです。
同モデルでまず気になるのは、車内や荷室の広さ、使い勝手、取り回しなどでしょう。ホイールベースは2480mmで先代と同じ。全長は3790mmで80mm(ソリオ・バンディットは70mm)ストレッチされています。
これにより、荷室の奥行きが100mmも拡大され、積載量の拡大が図られています。それでいながら最小回転半径は4.8mと、先代と同値に収まっています。さらに、ドアミラーの高さ、取付位置を工夫することで右折時の視界を低減させるなど、周囲の見晴らしの良さも印象的です。
車内も広さを実感できます。スズキによると、35Lのスーツケースを5個積載しながらも身長180cmの乗員でも膝前空間を確保できるそうです(一番前から105mmリヤシートをスライドさせた状態)。
なお、身長171cmの筆者がドライビングポジションを決めて、後席に座ると、スライドを最後端にさせた状態で足が組めるほどの広さを確保できます。膝前にこぶしが縦に4つ近く、頭上にはこぶしが2つ半ほど残ります。
さらに、後席のヘッドクリアランスは5mm、後席のショルダールームは20mm拡張されていて、広さを実感できるのはもちろん、前席よりもシートの位置がかなり高めで、見晴らしがいいのも特徴。また、後席のスライド、リクライニングは、後席バックレストの肩口にあるレバーで操作可能で、フルフラットモードや、後席の片側と助手席の背もたれを前倒しすれば、長尺物の積載にも対応するなど、キャンプなどの趣味や多くの荷物を積むなどのニーズにも応えてくれます。
また、両側スライドドアを採用し、低床設計による良好な乗降性はもちろん健在で、新型には新たにパワースライドドアが閉まるまで待たずにすむ予約ロック機能が追加されています。
2019年度で保有台数が38万5888台というスズキ・ソリオ。4代目は3代目の好評点を維持しながら、さらなる使い勝手の向上が図られています。
(文:塚田 勝弘/写真:井上 誠)