7年ぶり日本人F1ドライバー誕生!!角田裕毅選手が2021年ホンダパワーのレギュラードライバー決定

■2000年生まれの若武者

●2021年、角田裕毅選手がスクーデリア・アルファタウリ・ホンダからF1に参戦決定!

以前からF1の若手ドライバーのテストも伝えられていた角田裕毅が2021年の「Scuderia AlphaTauri Honda(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ/AlphaTauri)」のレギュラードライバーに決定した、とホンダから発表されました。角田裕毅選手は、ホンダのドライバー育成プログラム出身で、2021シーズンは、ホンダのハイブリッドパワーユニットを搭載したマシンを駆り、世界最高峰の舞台に挑むことになります。

角田裕毅
2021年シーズンから「Scuderia AlphaTauri Honda」からF1に参戦する角田裕毅選手

日本人がF1にレギュラードライバーとして出場するのは、2014年シーズンまで参戦していた小林可夢偉選手以来7年ぶり、ホンダのドライバー育成プログラム出身者では、2002から2008年まで参戦していた佐藤琢磨選手以来13年ぶりになります。

角田選手は、Red Bullのドライバー育成プログラムである「レッドブル・ジュニアチーム」にも所属し、今年2020年からF1の下位カテゴリーである「FIA Formula 2 Championship(F2)」に「Carlin(カーリン)」から参戦。ルーキーイヤーにもかかわらず今年は3勝を挙げ、表彰台には計7回登り、ポールポジションも4回獲得しています。シーズンランキング3位になり、F1ドライバーとなるために必要なスーパーライセンスの獲得要件を満たしました。

2000年5月11日生まれで、神奈川県相模原市出身の角田選手は、2016年に「鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F)」を卒業し、翌2017年 には「JAF-F4 東日本シリーズ シリーズチャンピオン・日本一決定戦」で優勝、「FIA F4日本選手権 シリーズ」で3位。2018年には、「FIA F4日本選手権」でシリーズチャンピオンを獲得。2019年の「FIA F3選手権 シリーズ」で9位(Jenzer Motorsport)になり、1勝と表彰台を3回獲得。さらに、「ユーロフォーミュラ・オープン・チャンピオンシップ」ではシリーズ4位(Motopark)になっています。そして、先述したように、2020年は「FIA F2選手権 シリーズ」で3位(Carlin)。3勝を挙げて表彰台は7回、ポールポジションは4回ゲットしています。

F1パイロットになる角田裕毅選手は、「レースの世界で戦う多くのドライバーと同じように、ボクにとってもF1ドライバーになることは小さな頃からの夢でした。2021年からF1の舞台でレースができることを本当にうれしく思っています。ボクにこのような機会を与えてくれたAlphaTauri、Red Bull、ヘルムート・マルコ博士、それにボクのキャリアを長年にわたりサポートし、欧州で戦うチャンスをくれたホンダにはとても感謝しています。

また、今年F2を一緒に戦い、ボクに多くのことを教えてくれたCarlinをはじめ、これまでのキャリアで所属してきたすべてのチーム、関係者の皆さんにも、この場を借りて感謝の言葉を送ります。ボクが来年F1でレースをすることは、日本で応援してくれるファンの皆さんの夢を背負って戦うことでもあると思っています。皆さんと一緒にさらなる夢を叶えられるよう、これからも全力で戦っていきます」とコメントしています。

また、「Scuderia AlphaTauri Honda」のチーム代表、フランツ・トスト氏は、「Red Bullはここ数年、角田選手のパフォーマンスを注視してきました。今年2020年のF2でのパフォーマンスからも、レースでのアグレッシブな姿勢と技術的な部分に対する理解の深さを見て取ることができましたし、彼が間違いなくチームにとって大きな力になることを確信しています。

11月にイモラ・サーキットで2018年型のマシンをドライブした際には、コンスタントにペースを刻みながらもセッションを重ねるごとに進歩を見せ、我々のエンジニアに対してもマシンについていいフィードバックを返していました。当然、ホンダのエンジニアとのパワーユニットに関するコミュニケーションを取る際にも全く問題はありませんし、そのことはチームにとっても大きなアドバンテージになります。今週のアブダビでのテストでも、彼の習熟の早さを見て取ることができました。彼がF1ドライバーになる準備はできています」と語ったそう。

さらに、ホンダの八郷隆弘社長は、「まずは角田選手に、F1レギュラードライバー昇格おめでとう! と伝えたいです。また、F1を夢の舞台として目標とする若手ドライバーたちを長年応援している私たちにとって、角田選手がF1のレギュラードライバーの座をつかんだことはひとつの夢が叶ったことになり、とてもうれしく思います。世界最高峰のステージでの戦いはこれまで以上に険しいものになるとは思いますが、世界最速という次の夢を追う角田選手がそこで大活躍をしてくれることを楽しみにしています」と期待の高さを表明しています。

ホンダは2021年シーズンをもってF1から撤退すると発表済み。そのフィナーレを飾れるか、ルーキードライバーへの注目度は高まるでしょうし、またF1を観てみようという日本のファンも増えるのではないでしょうか。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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